Kern Aarau Switar 50mm f1.8の仕様
レンズの物知り度 | レンズの希少度 | 描写の好み度 |
★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
レンズ名 | Kern Aarau SWITAR 50mm f1.8 |
メーカー | Kern Aarau |
焦点距離 | 50mm |
開放f値 | 1.8 |
マウント | ALPA |
フィルター径 | ALPA A |
最短撮影距離 | 0.5m |
タイプ | SWITAR |
特徴 | 滲み、ボケの美しさ |
製造年 | 1952年頃 |
価格 | ★★☆☆☆ |
レンズの特徴
詳しい解説は、同じレンズ構成を採用しているAuto Switarの解説記事に書きました。
このSwitarはALPA用のSwitarの最初のモデルで、製造本数は1500本程度ととても希少なレンズです。
鏡胴が、同時期に販売されていたXenon50mmと全く同じものなので、ALPA標準のものなのでしょう。
この初代SWITARには、シャッターボタンとプリセット絞り機構がない分、非常にコンパクトかつアルミ製で軽量にできています。
また、プリセット絞りがないために、絞りは昔ながらの円形絞りとなります。
絞り形状は特に絞ることで描写性能が大きく向上するオールドレンズでは非常に気になる点なので、これは絶対的なメリットと言えますね。
また、以降のSwitarシリーズでは、絞りリングとフォーカスヘリコイドの回転方向が逆になります。
ライカと組み合わせる場合には、ヘリコイドの向きが一致するので非常に使いやすくなります。
このためだけに初代SWITARを選ぶ理由になると言っても過言ではありません。
アクセサリーについてもご紹介しておきます。
アルパレンズはフィルター用ネジが切られておらず、専用のはめ込みフィルターとフードを使う必要があります。
フィルターについては、レンズ表明に記載されている数字によって微妙に色が異なりますが、カラーフィルターのような効果はないようなので、どのような違いがあるかは私にはわかりません。
手持ちのものは615のアンバーです。目を凝らして見なければその表記にすら一生気づくことがなさそうです。
描写
ボケの形状から見ても、ハイライトにじみとエッジの柔らかさがよくわかります。
絞りは円形です。
階調性、柔らかさ、滲みの美しさ、下手したら同系統のSummilux 50mm 2ndよりも上品な描写かもしれません。
もう少し締まりが欲しければf1.9のSwitarやSummilux 50mm 3rdという選択もできますね。
このレンズは張り合わせの多さが特徴の構成で、ダブルガウスの発展系かと思っていましたが、よく見るとゾナーからの発展ではないかと最近思っています。
Autoよりもやや緩さを感じますが、これは個体差や経年の差レベルなのでしょう。
あまりフレアを取り込むのは好きではありませんが、あまり強すぎないのでこれは非常に好きな感じです。
正面からでも状況によっては発生しますね。
立体感。
とにかく上品で飽きのこない描写が魅力的なレンズだと思います。
価格もライカに比べれば遥かに安く本当にお買い得なレンズです。
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