スピーカーとアンプの相性とケーブルによる音質の変化について

こんにちは!前のめり(@maenomelife)です!

 

今回は、オーディオの永遠のテーマのひとつでもある、スピーカーとアンプとケーブルの相性問題について書いていきたいと思います。

 

オーディオ機器は価格が高いほど性能が高くHi-Fiな音がするという人もいれば、そうではなく、バランスがあるという人もいます。

これについては本当に様々な意見が対立しており、ネットで調べても何が真実なのか全然わかりません(笑)。

 

そこでこの記事では、一つの指針として、私が現時点で持っている選び方の基準を紹介していきたいと思います。

 

Contents

スピーカーとアンプ

 

まず基本的に、スピーカーとアンプには相性があります。

基本的な話をすると、スピーカーにはインピーダンスの公称値というものがあります。

とかとか書いてあるやつです。

 

このインピーダンスというのは計算値で決められていますが、実はスピーカーは音源の入力周波数によってその抵抗値の特性は全然違います。

 

簡単に言えば低音と高音は抵抗が大きく音が鳴りづらくて、中音域では抵抗が少なく鳴りやすいです。

 

・・・といった話を前提に、

 

例えば大昔の真空管アンプ時代では、真空管アンプは構造上内部抵抗が大きく、駆動力がありませんでした。

非力な真空管アンプでは、音域によってうまく鳴らせない所が出てきてしまいますので、その特性を前提に、音が聴きやすいようにスピーカーは作られていました。

 

一方で現代では、トランジスタアンプという負帰還という回路構成を増やし、ノイズや内部抵抗をいくらでも下げる事ができます。

内部抵抗が下がると、駆動力が大きくなります。

そのため、トランジスタアンプは真空管アンプとは比でない程駆動力が高く作られています。

 

そうなると、スピーカーも、アンプの高駆動力を前提に設計を行なっていきます。

俗に言う低能率スピーカーというやつです。

ただ、決して低能率スピーカーは悪ではなく、むしろ、高駆動のアンプのおかげで、音量は小さいが特性のいいスピーカーを作ることができました。(音量は駆動力で十分カバーできます)

 

例えば、昔のスピーカーは能率が100dB/Wを超えるものがザラにありますが、現代では、ハイエンド機種でも95dB/W、低いものだと80dB代のものもあります。

そのため、現代のスピーカーを真空管アンプで鳴らそうとしても上手くいきません。

 

このようなことから、基本的にはどのオーディオメーカーもアンプの駆動力は大きいに越したことはないと言っています。

 

しかし、今度は新たな論争の種が生まれました。

それは、「駆動力が大きすぎると音がつまらなくなる」ということです。

 

これは、事実かというと一概には言えず、例えばオーディオメーカーのアキュフェーズはDFが4000もあるようなアンプを販売していたこともあります。

 

しかし、あくまで判断基準となるものは、スピーカーから出てきた音の特性ではなく、音の聴感の良さだからです。

ここでいう駆動力の定義は、先ほどお話したものですが、人によってはアンプの電流特性によるものだという人もいます。

理論上は駆動力が大きいほど、スピーカーを理想の状態で鳴らす事ができるので音源の再現性が高くなります。

しかし、人間の耳はわがままで、スピーカーを理想的な状態で駆動させてもいい音になるとは必ずしも言えません。

 

Wikipediaの音質の説明では、

 

音質(おんしつ、英: sound quality)とは音や声の品質を表し、多くの場合電子機器などのオーディオ出力や音声出力の良し悪しの意味で用いられる。品質の内容はアプリケーションにより異なり、高音質のオーディオ機器では聴感上の原音への近さが、電話では明瞭度や了解度が重要になる。

 

というように、聴感が重要であることを言っています。

 

普段人間の耳は、離れた音源の音を聞いています。

オーディオは、1m先の音を聴きますが、オーケストラを1mの距離では聴きません。

 

私はここにミソがあるのではないかと考えています。

基本的にオーケストラでもボーカルでも収録マイクは音が発せられる側に設置されています。

 

しかし、通常のオーディオルームでは、スピーカーと視聴者との距離が、実際のオーケストラやライブに比べて非常に近いです。

その為、素直にそれを再生すると明瞭すぎるのだと考えています。

 

例えば真空管は特性が悪いので、音を適度にぼやかしてくれることで角が取れた耳触りのいい音に変化しています。

 

ということで、スピーカーとアンプの相性というのは、時代や設計思想により、全く特性の異なるスピーカーとアンプのマリアージュを探すことに他なりません。

 

オーディオは地域を揃えたほうが良いというのも、このあたりから来ているのだと思います。

似た環境(開発者の音の好みや音楽の土地柄等)で作られたものであれば相性が良い可能性が高いのはそのとおりだと思います。

 

しかし、それでは選択肢も狭められてオーディオ好きからしてみたら面白くありません。。

 

DFが音を左右する?

 

 

先程の駆動力の話を細かくしていくと、アンプとスピーカーにはダンピングファクター という定義があり、

DF=SPインピーダンス÷AMP内部抵抗値

で求めることができます。

 

先ほど話をしていた駆動力の目安みたいなもので、

真空管アンプ=15

・トランジスタアンプ=200以上

・デジタルアンプ=10程度

となる場合が多いです。

 

そして、一般的なスピーカーでは、

このDFの値が20程度が最も聴感が良いと言われています。

しかしこれはトランジスタアンプの駆動力の高さによる再現性=高音質という前提を、否定した意見です。

 

というわけで、具体的にDFの変化がどのように音の聴こえ方に影響を与えるかというと、、

10程度まで下げても、目立った劣化もなく音楽を再生することができますが、

DF5を切ってくると、抵抗値の大きい高低域の音量が下がっていきます。(-2dB程度)

蓄音機や戦時中のラジオの音声のような、か細い音をイメージしていただければいいと思います。

といったように、微妙なDFによる音の変化の中で、聴感も変化していきます。

 

逆に10からDFを増やしていくと、程なくして音の特性への影響は殆ど無くなります。

そのため、音の変化の境目のDF10から少し上のあたりまでが、音質が調整できる範囲になります。

 

この付近にスイートスポットがあると信じましょう・・。笑

 

ケーブルでDFをコントロールする

ということで、DFをコントロールすれば、素晴らしいアンプとスピーカーのマリアージュを生み出すことができるということが分かりました。

ではどうやってDFをコントロールするかというと、スピーカーケーブルの出番です。

 

上記のDFの定義において、通常では音質に支障のないよう十分な容量のスピーカーケーブルが使われる為、ケーブルの抵抗は無視されています。

 

しかし、スピーカーケーブルは本来内部抵抗に加わるものなので

DF=SPインピーダンス÷(AMP内部抵抗+SPケーブル抵抗)

となります。

 

つまり、ケーブルを細くて長くしていくことで、DFを低減させ聴感に変化を与えていくことができます。

 

しかし、実際に求めようとすると、銅の抵抗値とか色々考慮しなければならないのでメンドイです。

そこで今回は簡単に計算できるフォームを作ってみたので、活用してみてください。

 

 

 

 

私は22AWGのスピーカーケーブルを使用しています。

 

 

これは、通常のスピーカーケーブルと比較すると、本当に細くなります。

ケーブルは針金でいいとか、LANケーブルでいいとかいう方もいますが、それはDFを低減させて音を柔らかくしたことで聴感が向上しているのだと思います。

(ただし、被覆がただのビニル線のケーブルに音ような高周波を通すと別の悪影響があったりするので、それはまた一考)

 

いい音=バランスの取れた音

基本的に音はスピーカー設計に依存します。

なので、まずは鳴らしたいスピーカーを決めて、そこからアンプとケーブルを選定するのがいいと思います。

 

しかし、今回の20というDFの選定についても、スピーカーを選ぶ可能性があります。

私の手持ちのスピーカーはTANNOYやJBL,FOSTEX等、どれも、音の響きが豊かなものなので低DFとの相性が良さそうなのですが、逆に、高剛性でキンキンなユニットを搭載したB&Wのようなものがこれに当てはまるのかは少し疑問が残ります。

(手持ちになく検証できていません、スミマセン。。)

 

 

うーん。

この謎が自分の中で納得できる答えが見つかれば、またオーディオの価値観がアップデートされて前進できるのかもしれません。

オーディオは本当に奥が深い趣味なので、楽しい!

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