Meyer Goerlitz Trioplan 10cm f2.8(Pre-War)

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Trioplan 10cm f2.8 の仕様

レンズの物知り度レンズの希少度描写の好み度
★★☆☆☆★★☆☆☆★★★★☆
レンズ名Trioplan 10cm f2.8
メーカーHugo meyer Goerlitz
焦点距離100mm
開放f値2.8
マウントExakta,LTM(連動,非連動)
フィルター径特殊(39mm)
最短撮影距離1.1m
タイプトリプレット
特徴バブルボケ
製造年年頃
価格★☆☆☆☆

レンズの特徴

戦前のMeyerを代表するレンズのひとつ、Trioplanです。

トリプレットとしては非常に大口径で、厚みのあるガラスと真鍮の鏡胴の重厚感、精密感は一切の妥協を感じさせません。

 

Trioplanは元々ポートレートレンズとして大判用レンズであったものが、35mm判の普及に伴いスケールダウンされたものなので、Meyerの中でも歴史のあるレンズです。

 

そして、Meyerの中でも恐らく最も有名なレンズですね。

2010年頃からバブルボケが美しいと海外で評価され、一気に火が付くと同時にMeyerの知名度を押し上げました。

 

なお、その評価されたレンズはこのレンズとは異なる戦後型と呼ばれるものではありますが、基本的にはほぼ同じ設計のレンズなので、この戦前型でも同じようにバブルボケを出すことが出来ます。

 

ちなみにTrioplanはレンズ一体型の比較的安価なカメラに数多く採用され、50mm,75mmのついたボディや交換レンズは戦前型、戦後型共に数千円で転がっています。

バブルボケを作るには別に特殊なレンズである必要は無く、球面収差過剰補正によって現れるものなのでTrioplan10cmで無くて5cmでも良いわけです。

 

しかしながら、バブルボケを重視するならば、きれいな玉ボケを作るための口径食が無く、ぐるぐるとした収差が少なくそして被写体との奥行きがより大きく現れるという条件を考えると、焦点距離が長くかつサイズ感も程々に良いこの10cmが最も適任であるとも思います。

 

とは言うものの、このレンズの特徴をバブルボケだけで片付けてしまうのは非常に惜しいと思います。

多くのレンズの原型であるトリプレット。中央付近のピント面のシャープさと周辺やボケが組み合わさった美しさを是非探してみたいと思います。

 

描写

色は淡めで、逆光にも弱いのがノンコートの戦前のレンズの特徴です。

バブルボケでコントラストもはっきりとキラキラとした写真を取りたい場合には迷わず戦後型のものを選ばれることをお勧めします。

 

このレンズはバブルボケ一本でしか語られませんが、描写の良さも目を瞠るものがあります。

 

100mmのレンズなので、20m先の被写体と、無限遠もしっかり分離します。

 

ハイライトはふわりと滲みつつも、開放での解像度の高さがよくわかります。

 

写る。

 

 

3枚玉といえば、ガラスの抜けの良さと中央部の解像度の高さを味わうレンズだと思います。

中望遠3枚玉の良いレンズはTriotarやElmar(Triplet)等多くありますが、このTrioplanはそれらとは少し考えの異なる大口径化した少し癖も出てくるレンズです。

それが憎めない愛おしさを感じる点でもあり、なんだかんだで頻繁に持ち運ぶレンズの一本です。

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