こんにちは!前のめり(@maenomelife)です!
今回はライカの魅力のひとつ、ファインダーについての倍率と見え方、それからメガネ付レンズについてご紹介します。
ファインダー倍率とは
ライカのファインダーは0.68倍とか0.85倍、0.91倍など、何パターンかのバリエーションがあります。
ここでいう1倍は等倍、つまりただのガラスです。
この倍率が小さくなっていくほど見える範囲が広がっていきます。
ライカのファインダーは一眼レフとは異なり、レンズとは別の独立した光学ファインダーになっています。
このファインダーでさまざまな焦点距離のレンズに対応する必要するために、ファインダー内に表示されるのがブライトフレームです。
ファインダーは普段の視界と等しい、等倍が最も使いやすい倍率です。
しかし、それでは問題が発生してしまいます。
ライカのブライトフレームは、装着するレンズのマウント部の爪の形状で自動的に最適な枠が表示される仕組みになっています。
これは、広角になるほど画角が大きくなるので、おのずとブライトフレームが大きくなっていきます。
しかし、ファインダーの大きさはカメラ本体の大きさに依存しますから、スペース的にあまり大きくすることはできません。
そのため、等倍のファインダーだと50mmよりも広角側のブライトフレームは表示することができません。
それを解決するためにファインダーの中の景色を縮小してあげているのです。
ファインダー倍率による見え方の違い
ライカのファインダーは、0.58倍、0.68倍、0.72倍、0.73倍、0.85倍、0.91倍とさまざまなバリエーションが製造されてきました。
私が使っているフィルムカメラのM3は0.91倍です。
iPhoneの画角は28mm相当で、カメラのブライトフレームは50mmです
左右の像の大きさがほぼ変わらないのが分かると思います。
このファインダーは等倍に近いほど肉眼と同じ倍率になるので、両眼を開けて撮影できるというメリットが生まれます。
普段の視界の中にブライトフレームが浮かび上がるような状態です。
これは実際に体感して頂かないと分からないのですが、本当に素晴らしいです。。
しかし、等倍に近いと50mmよりも広角側のブライトフレームを表示できません。
私の持っているのM-E(Typ220)のファインダー倍率は0.68倍です。
M-Eに表示されているブライトフレームは、50mmです。
映る範囲は上のM3と同じですが、見える景色が小さくなっているのが分かるかと思います。
このファインダーは、最大で28mmまでのファインダーまで表示できますが、両眼を開けて取るには少し差が発生してしまいます。
別に両眼に拘らないのであれば0.68とか0.58とか広く見える方が良いのでは、と思うかもしれませんが、実は罠もあります。
真ん中にある二重像部分の大きさを見てみてください。
ライカのピント合わせはパララックスを利用した二重像によるピント合わせですが、この二重像は中心部のほんの僅かしかありません。
つまり、倍率が小さくなるほど見えづらく、ピント合わせがルーズになってしまいます。
特に望遠側で顕著になります。
レンジファインダーはどちらにしても割り切りが必要な仕組みとなっていて、一眼レフやEVFの仕組みが普通に写真を撮る上では合理的なことが分かると思います。
ただし私個人的にはそれを差し引いても、両眼で撮れることと、枠の外が見えて視界から切り取るというレンジファインダーならではのスタイルがとても好みです。
メガネの役割
ライカの中でも謎が深いのが、メガネ付きレンズ。
眼鏡がついているだけで、付いていないものの半額程度で買えたりします。
しかし、このメガネの役割を知っている方は少ないのではないでしょうか。
そもそも、メガネが付いてるとなぜ安いの?使えるの?という疑問。
メガネの役割は簡単に言えば、フィルム時代のライカのカメラ毎に異なっていたファインダー倍率を補正する為にあります。
具体的には、ライカM3には35mm、M2は135mmのブライトフレーム が表示できません。
そのため、無理やりに倍率を変更するために存在するのがメガネです。
M3であれば、35mmがありませんから、50mmフレームを使って、見える範囲をざっくりと0.70倍にすることで35mmのレンズが使えます。
しかし、問題があります。
これは、0.91倍のM3であれば0.91×0.70で、0.63倍となんとか実用範囲になります。
しかし、0.68倍のM10以前のライカでは、0.68×0.70で0.48倍になってしまいます。
ブライトフレームで確認できる撮影範囲は同じですが、像がかなり小さくなってしまっているのが確認できます。
メガネを用いると、50mm枠の部分に35mmの像が見えてしまうので、ライカをお持ちの方ならそれがいかに小さいのかがわかると思います。
という理由から、メガネ付のレンズは安くなっているんですね。
ただ、この使いづらさを回避するためにマグニファイヤーを用いるという技もあります。
詳しくは次回の投稿で。
ファインダーは試行錯誤の賜物
という訳で、ライカのファインダー倍率のお話でした。
倍率を上げるほど見やすくなるのですが、広角側が見えなくなってしまうというジレンマがあります。
その為、フィルムライカでは様々な倍率のファインダーが存在していました。
そしてデジタル以降は、ボディの厚みによる違いはあれど、ほぼ同じ0.7倍程度に統一され、両目では違和感は残りつつもほぼ全ての画角のブライトフレームに対応しました。
しかしその結果、逆にメガネ付レンズは超低倍率となり非常に使いづらいものとなってしまいました。
こんな感じで今ではそこまで意識をする必要は無いのですが、等倍の魅力を知りたいとか、昔のレンズを使いたいといった際には、ぜひ参考にしてみてください。
M型ライカのファインダーは、本当に素晴らしいですね。
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