90年前のライカのカメラを分解してみた(LeicaIシャッター幕取替オーバーホール)

こんにちは!前のめり(@maenomelife)です!

 

先日私が購入したLeicaIですが、相当古いものなのでシャッター幕から光が漏れていることが分かりました。(この時代のものは当たり前ですけどね...)

 

今回はこのシャッター幕を新品に交換していきたいと思います。

 

90年前のライカを脱がす

私のこの個体は、後にアップグレード改造を受けてはいますが、ベースは1930年に製造されたLeicaI(A型)です。

 

このカメラは今では当たり前の機能が殆どついておらず、究極にローテク。(良く言えばシンプル?)

 

ライカが登場する以前はポケットに収まるスチルカメラ(静止画撮影機)がそもそもこの世に存在せず、勿論35mm写真用フィルム自体が存在していませんでした。

そんな時代ですから、このサイズで実装できる機能を詰め込んだというのが正しいのかもしれません。

 

でも、この便利すぎる時代には不便なカメラが刺さる。。

シャッター幕を開閉するだけの機械

このライカの中身は本当にシンプルです。

このライカにはシャッター幕を開閉すること、それからフィルムを巻くこと、ファインダーを覗き込むことしかできません。

 

これ以降のライカでは、距離計を搭載しフォーカスを合わせることができるようになり、ブライトフレームにより一つのファインダーで異なる画角が確認でき、更には露出計も搭載されました。

 

しかし、極論を言えば、このフィルムが巻けて、画角を確認できて、シャッター幕が開閉する機能があれば写真は撮れます。

このライカを現代でも使いたいと思わせるのは、雰囲気もありますが、一番の魅力はやはり作りの良さだと思います。

90年経っても幕を開閉する仕事をこなし続けるライカの堅牢さには本当に驚かされます。

 

90年の垢を落とす...

今回はグリップも張り直したいと思います。

 

ライカのグリップは革ではなくグッタペルカという樹脂でできています。

常に肌に触れる劣化しやすいグリップが90年もその形を保っているというのは結構すごいことじゃないでしょうか?

 

バルナックタイプのグッタペルカは茶色系の樹脂の上に黒い塗装がされているそうで、古くなると茶色っぽくなってきてしまいます。

指の跡がくっきり。

 

本来の姿に価値を見出す方にとっては、このオリジナルのグッタペルカが人気がありますが、正直言って、この劣化したグッタペルカは特有の匂いもあり、構えるたびに少し気になってしまったので、今回は躊躇なく張替え。

 

硬化したグッタペルカをパリパリとはがしていきます。

 

グッタペルカの下には90年間かけて蓄積した汚れ。

やすりできれいに磨いていきます。

 

ちなみにたまにグリップをはがしたこの状態で使っている方もいるみたいです。

 

こんな感じですね。

メカメカしくて、これもいいかもしれませんが、冬は冷たそう。

 

そして、革を切り出します。

なかなか採寸や切り出しがうまくいかず、見た目があまり良くないですね。。

気が向いたらリベンジしたいと思います。

 

切り出した革は組み立ての最後に貼っていきます。

  

シャッター幕とリボンの取替

正直ここは手を出さない方が良かったかも・・・と後悔。

コツをつかむまでかなり苦労しました。

 

右側が先幕、左側が後幕です。

貼り直しやすいように下部プレートとドラムを外したのですが、もし自力でトライする方がいらっしゃればここは外さずに取替を行ったほうが絶対いいです。

ギアのかみ合わせでシャッターが最後まで巻けなくなったりするので、何度も組み直して調整するのが大変でした。

 

新しい幕を切り出して・・・

 

寸分の狂いなく接着します。

 

幕もリボンも位置がずれるとシャッターが斜めになったり、端まで開ききらなかったり様々なトラブルが発生します。。

仮付しながら調整するのがオススメ。

 

こんな感じでね。。

この後全てやり直して少しはマシになりましたがまだ微妙なので、気力があればやり直したい。

 

シャッター幕の水平や、重なり具合等すべて、幕とリボンの接着位置で決まるのですが、接着剤を何度も張りなおすのは本当に心が折れそうでした。

しかし、そのおかげで、シャッター先幕、後幕の動きや、シャッタースピードの仕組みがよくわかりました。

 

シャッタースピードは先幕が引っ張られるのに併せて上側のSSダイヤル部が回って、爪が後幕のロックを解除して、後幕が走るという仕組みなんですね。

この、爪の角度を何個かある穴ぽっちの位置に回して変えることで、後幕のロックを早く解除させたり、遅くさせたりとシャッタースピードを調整しているわけです。

 

これじゃ精度は期待できないですよねぇ(笑)

 

シンプルな機械は美しかった

今回このカメラの中を開けて分かったのは、本当に無駄が無くシンプルな構造をしているということでした。

90年前のものなのに、中身は全く劣化を感じさせないその品質に本当に驚きました。

 

距離計が無いというのは、致命的であるようにも感じますが、別の意味ではファインダーに縛られない撮影を行うことができるともいえます。

 

普段被写体を見つけたとき、ファインダーを覗いていると、フレーミングを意識しすぎてタイミングを逃してしまう事がよくあります。

そんな時には、あえてノーファインダーで撮った方が、本当に撮りたかった、自然体な動の写真を撮ることができるかもしれません。

 

同年代のズマールも手元にやってきました。

 

この無駄のないデザイン、クラシカルな佇まいが堪らない。。。

 

まだ全快ではないですが、光は漏れなくなり、無事まともな写真が撮れるようになりました。

次回はこのカメラで撮った写真も載せていきたいと思います。

 

フィルムライカ。良いですよ。

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