こんにちは!前のめり(@maenomelife)です!
私は先日、Leica M2とM3を悩んで悩んで最終的にLeica M3を購入しました。
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Leica M3は60年も前の製品ですが、驚くほど手に馴染む最高のカメラです!
しかし、、このカメラを探す際にはかなり気合を入れました。
なぜかというと、M2やM3って同じものでも、製造時期によって結構仕様が変わるんです。
更にはすでに発売から60年も経過する古いものなので、状態もよく確認しなければならず、選ぶのが難しいなーと感じました。
今回はかなりマニアックですけど、私がせっかく調べに調べた知見がもったいないので、これからM2,M3を選ぶよ!って方の参考になればと思って記事にしました。
M2,M3の理由。M4,M5,M6じゃない理由。
まず、なぜ、M2,M3なのか?って理由です。
理由は至極単純で、最もシンプルで本質的な機種だからです。
外装が総金属&ガラスで美しく、より機能の少ないモデルです。
巻き上げレバーはプラスチックの方が恐らく耐久性が落ちます。
それと、M4からはフィルム巻き戻しがクランクで便利になるのですが、そもそも便利を求めるならデジタル買った方がいいです。露出計も同様です。
(ちなみにM4が最高のライカとの声もあります。完全に好みです。)
その点、最新のフィルムライカのLeica M-Aは分かってます。(めちゃ高いですけど)
内容はM2,M3向けですが、M4,M5.M6にも通づる所が多々あると思います。
M3の選び方
まずは、モデルの差を知りましょう。
M3はおおまかに
・前期
・中期
・後期
の3つに分けられます。
前期:(シリアルNO.70万~91万)
ポイント:改良前だが、修理工によればあらゆる時代のM3で最も良い機械との声もある。
・フィルムロックレバーが短い、窓切り替えレバーが無い(最初期の激レア品)
・巻き上げレバーが2回巻き、スプリング式で人気
・ファインダーノッチなし
・ファインダー経が8mmと小さい
・シャッタースピードの表記が現在の標準とちょっと違う(初期の初期)
・アイレベル(ストラップ穴)がドッグイヤーと呼ばれる形で少し場所が高い
・バックパネルの押さえがガラス
・ブレーキが2個?
中期:(シリアルNO.92万~96万)
ポイント:前期と後期の過渡期のような仕様が特徴でいいとこ取りのような仕様のため非常に人気。しかし、生産台数がかなり少ない。(シリアル92万~96万、うち5万代近くはM2のため実質1万台程度?)
・巻き上げが1回巻きに変更、スプリング式
・ファインダーノッチあり
・ファインダー経大(10.5mm)
・アイレベルはドッグイヤー
・バックパネルの押さえは金属
・ブレーキが2個?
後期:(シリアルNO.97万~)
ポイント:M2のフィードバックでメンテナンス性、耐久性が成熟している
・巻き上げが1回巻き、ラチェット式で耐久性向上
・ファインダーノッチあり
・ファインダー経大(10.5mm)
・アイレベルは現代と同じに
・フィルムカバーおさえは金属
M2の選び方
M2は
・前期
・後期
に分けられますが、後改造で機能追加されたものも多く存在し、仕様は結構多種多様です。
前期後期の基本的な違いは
・採光窓の形状
・フィルム巻取りロック解除がボタンかレバー
で見分けます。
まず採光窓ですが、前期と後期で機能にはほとんど違いがありません。
前期型は
これが内ギザとよばれて、光のガイドとなるスリットが細かく設定されています。
一方の後期型は
外ギザと呼ばれており、スリットの数が少ないです。
後期型の方が採光効率が高くなっているそうですが、外ギザは安っぽいという意見も多く、見た目では内ギザの方が人気が高いです。
次にフィルム巻き取りノブのロック解除機構については、
前期型はプッシュボタン式です。
最初期は押し続けなければいけないのが、すぐに途中から1回押せばよい仕様に変更されています。
後期型からはM3と同じレバー型で、巻き上げ時に横に倒せば良くなりました。
また、この前期型はセルフがありますが、割とついてないものも多いです。
後期の個体からは基本的にロックレバーの下にセルフタイマーレバーがついています。
これは好みがありますが、現代ではほぼ使用しない機能なので無いほうがシンプルで個人的には好きです。
前期の内ギザ、ボタン式でセルフ無しが一番見た目はシンプルで、状態がいい場合は価値も高くなります。
M2はM3ほど仕様の違いで注意するところはありません。
M2,M3の状態チェック方法
M3でのみ注意するポイント
○巻き上げレバーについて
前期、中期のスプリング式は改良の原因でもある滑りが発生しているものがあります。規定ストロークでうまくまきあがらないものは避けるのが無難です。
○改造された個体でないか
=全てオリジナルパーツの個体は少ない
流石に60年も使われてきているので、ほぼ全てのM3はO/H、修理歴があります。
そのため、オリジナルでない別の個体の部品等が付いている可能性もあるのですが、これが原因で本調子がでないものが多いそうです。(特にファインダー周り?)
また、バックパネルはペコペコするので、他と取り替えたりといったことが結構あるそうです。
オリジナル部品を確認する一つの方法としては、軍艦部とボディのシリアル番号の一致を確認する方法があります。
90万代あたりまでは、底蓋をあけたところにあるスフィルムの装填方法の絵が書いてあるプレートを開けるとボディのシリアルナンバーが記載されており、トップカバー(軍艦)のシリアルと比較し安心するというおまじないです。
ちなみに私の95万代では記載されていませんでした。
で、何が言いたいのかというと、前期型なのに後期型のバックパネルが付いているとか、後期型なのにファインダーのノッチが無いとか、そういった違和感を感じ取れるようになるとハズレを引きづらくなります。
M2,M3共通の見方
1.シリアルナンバー
ライカの製造番号はすべて機種関係なく共通連番なので、製造番号でロットがわかります。
なので、製造年が新しいのか古いのかが分かります。
ここから何がわかるのか…というのは、各機種ごとにざっくり書いてあるのでそちらを、ご参考ください。
なお、ここでごく少数ロットにELCと書いてありますが、俗に言うエルカン。
カナダのライツで製造された個体という意味です。
軍艦部のM2やM3の文字が大きいのでビッグMなんてもいわれています。
希少といえば希少かもしれませんが、別に人気があるわけではないようです。
同年代でも、本国のカメラよりも古い仕様で製造されていたりします。
シリアルナンバーからいえること。
それは機械的には新しい方が状態がいい可能性が高い、と言えるくらいでしょうか。
既に50年以上前のものなので、これから下記に記載する個体差の方が重要ですが。。
2.ファインダー
M型ライカの命はなんといってもファインダーです。
M2もM3も基本的には前や後ろから覗いて傷やクモリ、バルサム切れをチェックし、状態がいいものを選んだほうが良いです。
また、比較して二重像がくっきりしているものを選んでください。
傷やクモリは見たとおりで、光をあてて様々な角度から見てみます。
あまりひどいと直せず、どうしようもありません。
また、バルサム切れとはレンズでよくある周辺部から油にじみのようにレンズに張り合わせ面が劣化している状態です。
ファインダーにおいては、写りに影響があるわけれはないので、見えれば良いのですが、あまりに酷いと全面真っ黒なものもあるので、他と見比べてみてください。
ちなみに、バル切れは大多数の個体で発生しているので、そこまでシビアになる必要は無いと思います。
ファインダーは2種類あって、M3では前期型までは距離計の赤枠が長方形ですが、中期からは上下にF5.6とF11用の視差目安のノッチが付きました。M2はM3でいう中期頃から製造されたモデルなので、最初からノッチ付きです。後期で無しになったとの情報も
ノッチ付きは評判が悪いのですが、バル切れの耐性が高いようですので、状態と好みのトレードオフってところです。
3.シャッター機構
これは、O/Hで良くなるところなので、修理前提で格安で購入する分には無視しても大丈夫です。
まず、ライカは布幕です。
布なので使っているとヨレたり穴が空いたりします。
強い太陽光で焼けたものもあります。
そういったものは正常に露光できないので、交換の必要があります。
また、布幕については消耗品のため当時物はほぼありませんから状態が良いものを探すのがベターです。
当時ものかの見分け方は良くわかりません。
また、シャッタースピードも確認します。
確認するときは、キャップを開けて、後ろのバックパネルも開けて光が確認できる状態にしてください。
合わせてフィルムを抑えるプレートに錆や傷がないかを確認します。
これの状態が悪いとフィルムに傷やよれが入って全てパーになります。
速度は全速確認するのは勿論ですが、シャッターの音の違和感や、切れが悪くないか(粘りがないか)を気にしてみましょう。
よく整備された個体だと、非常に気持ちいい切れのいい音がします。1/15付近では、切った後にコロンコロンと音がしますがすれも健康な証拠だそうです。
4.外装
主な注意点は3つ
①へこみ
特に軍艦部の凹みがあるものが多く見られます。これがあるだけで価格が数万円変わる世界です。
古いものなので特に凹んでても問題ないのですが、衝撃が加わった証拠ですから、ファインダーを注意深く見るようにしてください。
こういう個体は少し買うのが怖いです。
一部部品が取り替えられていると、わずかに違和感として影響するものもあるので他の個体と見比べる必要があります。
②スレ
機械の中身を確認するのは難しいのですが、外観で判断できる要素のひとつが軍艦部のスレです。
具体的には、左側のLeicaロゴのあたりで、使い込まれたものは、フィルムを巻き取る際に皮膚と塗装がすれて円周状のスレ(テカリ)があります。
これがあるものは大事に使い込まれていてその他が良くても、避けるのが無難です。
③アイレベルの摩耗
アイレベルはストラップを通す輪っかです。
真鍮製なので、ストラップ側のの金属素材よりも柔らかいという致命的欠陥があります。
そのため、長い時間首から下げられていたものはここが激しく摩耗しています。
ここの交換はかなり高額になるので、摩耗が少ないものをえらんでください。
なお、購入後に細いシリコンチューブ等で保護している方もいるようです。
その他
・グッタペルカ(貼り革)
オリジナルが珍重される傾向にあります。
しかし、個人的にはAki-Asahiさんで3000円程の値段で新品が買えるので、気にしなくていいと思います。
・カラー
ブラックに強い思い入れが無い限りはシルバー一択です。
この時代のブラックは超希少品でとんでもない値札がついています。
また、それに憧れて、ブラックリペイントと呼ばれる後から塗装されたものもありますが、結構いい値段します。
また、そういった個体は大概使い古されたものを塗り直すので、ギアなどの部品はへたっている可能性があります。
逆に整備済みで安心と言えるかもしれませんが。。
・不自然な傷
これが分かれば苦労はないと思いますが、、
カメラの分解には専用工具が必要です。
素人が下手に持ち合いの工具で分解しようとすると傷つきます。
例えばファインダーリングやフラッシュシンクロのターミナル、シャッターの皿などは円形なのでプライヤーのようなもので回すのですが、ペンチで無理やり回されたものは対角に傷があります。
また、無いとは思いますがそういった個体はネジ山が潰れている可能性もありますので念のため見た方がいいでしょう。
マウント部の上のネジについては一本だけ黒いのは通常です。
新品ではここがパテ埋めされていたそうです。
まとめ
Leicaは多少の仕様変更ではナンバリングは変えないので、同じ機種でもかなり見た目や使用感が異なります。
そのため、上記の年代ごとの特徴を把握して、なおかつ機械の良し悪しを判断できないと、いけないという上級テクニックが要求されます。
カメラ屋さんは親切じゃない所も多いので自衛に知識を身に着けていきましょう。
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