ライカには、日本のメーカーには無い不思議な魅力があります。
しかしご存知の通り、ライカのレンズは最低でも20万〜という超高級品で一般人にはなかなか手の届くものではありません。
しかし、そんなライカでも古いレンズなら数万円から購入する事が出来るので、市場でもかなり人気があります。
(ニコンの古いレンズは5000円とかで買えるんですけどね…)
ライカを使って2年になり、ライカの魅力?もそれなりに理解できてきたので、今回はオススメのライカのオールドレンズをご紹介していきたいと思います。
ライカのレンズは有名なのでムック本等でも多く紹介されてはいますが全てを紹介するだけでは能がないので、特にオールドの中でも個性があり、個人的に使ってよかったものや欲しい物を紹介していきたいと思います。
ライカレンズ初心者向けのマウントの説明と35mmのオールドだけでないオススメレンズはこちらでまとめています。
オールド以外の50mmのオススメレンズはこちら。
古いレンズを使うデメリット
オールドレンズを購入するにあたってはデメリットが多くある事も知っておかなければなりません。
性能面のデメリット
オールドレンズはフィルムカメラ、特にその多くは1960年代より前のモノクロが主流だった時代に作られたものです。
そんなフィルムカメラと現代でオールドカメラを使えるデジタルカメラは、光の受け取り方に大きな違いがあります。
デジタルカメラのセンサーではその仕組み上、センサー面に対して入射角の大きな光(斜めから入ってくる光)はうまく受光する事ができません。
一方のフィルムではこの問題は殆どありません。
つまり、この像面に対してレンズを通った光の入射角が垂直に近い、テレセントリック性の良いレンズであれば良いのですが、フィルム時代ではあまり影響がなかったので、多少無理をしたレンズ設計だとこのテンセントリック性の悪いレンズもあります。
その結果、特にセンサー周辺部においては色収差等が発生します。
ただ個人的には、逆にこの現代のレンズには無い収差こそオールドレンズ の味でありレンズの魂だと思います。
美味いワインもタンニンによる渋みや雑味が必要なように、写真にも複雑な味わいをもつボケが大事ではないでしょうか。
しかし、この色収差はLightroom等の現像ソフトで除去することが可能です。
また、これもモノクロ時代のレンズならではですが、オールドレンズは色の再現性も悪く、あっさりとした写りになってしまいます。
これも現像で補正できます。
オールドレンズはシャドウ側が少し持ちあがり気味なので、コントラストは上げずにシャドウだけを沈めてあげれば、締まった感じに仕上がります。
オールドレンズの状態
オールドレンズは状態が判断できないとババを引く可能性があります。
特にヤフオクは基本的に出品者優位ですから、何かあっても返品を受け付ける善良な方の方が稀です。
私も絞りが壊れていたことと、説明のないカビ曇りがあったことの二度ほど失敗し、どちらも返品を受け付けて貰えなかった経験があります。
これを防ぐには、店頭で実際に触らせて貰う、信頼できるカメラ店で購入する、個人出品であっても大量にカメラ用品を出していたり古物商のような利益目的で行っているような人を選ばないといった視点を持って探すことをお勧めします。
保証があるからといっても安心できるわけでもありません。
オートフォーカスのないライカのレンズの場合は故障をするといえば、機械的故障になります。
しかし、この機械的故障は自然故障に認めてもらいづらく対象外となる場合もありますので要注意。
ライカのオールドレンズの魅力
そんなデメリットの多いオールドレンズですが、それを背負ってもなお余りある魅力があるのがライカのオールドレンズです。
オールドレンズの魅力は、ただ単に安くて写りが面白いというだけではありませんよー!
質感の良さ
昔のレンズ(銀色のレンズ)を手にすると分かるのが、そのずっしりとした質量です。
この時代のレンズは真鍮やニッケルという現代のレンズの材料のアルミやプラスチックに比べて重い金属が使われています。(同じ体積だと4倍重い!)
絞りのクリック感や、フォーカシング時のヘリコイドの滑らかさは、アルミよりも真鍮やニッケルの方が間違いなく素晴らしいです。
また、現代のレンズにないもう一つの特徴は無限遠ロック機構です。
特に機能的にはメリットは少ないですが、無限遠に合わせた時のパチっという感触はオールドレンズならでは。 また、数は少ないのですが一部黒ペイントのレンズにおいては、象嵌という技法が使われています。 印や数字はシルバーのものは削って塗料を流し込んでいるんですが、黒ペイントは削った溝に銀を埋め込んで仕上げるという伝統工芸技法で作成されています。
この重厚で質の高い作りが味わえるのもオールドレンズ ならではの楽しみです!
小さい、全長が短い
オールドレンズの外せない魅力として私が挙げたいのは、そのコンパクトな鏡胴です。
現代のライカのレンズも、国産機のようにやたらめったらには大型化はしていません。
これはライカの哲学で、レンズの枚数が少なく収差も少ないレンズが良いレンズとされているからです。
とは言っても時代の流れもあり、高性能化のためにある程度は大きくなっています。
その点、オールドレンズは現代のレンズ、特に一眼レフやミラーレスのレンズに比べればその大きさは比較にならないほどコンパクト。
更に一部のレンズは沈胴レンズといって、未使用時はレンズを収納してよりコンパクトにすることができます。
電源を入れたらヌルーっと出てくるコンデジのレンズと同じですね。
カメラによっては沈胴させるとセンサーにぶつかるものもあるのであまり沈胴させない方がいいかもしれませんが、このフォルムも現代レンズにはないクラシカルな佇まいで素敵じゃないですか。最高。
具体的な定義は見たことはありませんが、個人的な感覚では1970年よりも前のものであれば、オールドと呼べるのではないでしょうか。
なお少し脱線しますが、バイオリンはオールドと呼ぶには1800年代以前である必要があり、1900年以降のものはモダンバイオリンと呼ばれます。
なので、オールドレンズとはかなり古いレンズの事を指すのが正しいのだと思います。
レンズも古いものでは100年物もあり、当然そんなレンズはこれまで何人もの方に大切にされ、歴史を切り取り続けてきたレンズです。
また、物的にも色々面白いところがありますが、例えば、このようにオールドレンズのガラスには一見不良品かと思う気泡が入っていることがよくあります。
これは光学ガラスの製造上どうしても入ってしまうものですが、現代よりも加工技術が低かったためにこのように多く混入しています。
この光学ガラスは均質な屈折率を目指して作られるのですが、冷却の仕方によってどうしても不均質となってしまいます。(脈理という。)
この脈理の部分は性能が悪いのですが、その脈理の部分を覗いた性能のいい部分には気泡が多く残りやすいそうです。
ですので、古いレンズは泡が多いとガラスの質が高いとも言われています。
※硝子の加工技術は専門ではないので間違っていたら申し訳ありません。
このように、オールドレンズは様々な古からのロマンが詰まっています。
古くてもライカ
なぜライカのレンズを選ぶのかという質問は愚問です。
そう、それはライカだからです。
ライカがこれだけの地位を築いてきたのは、昔から一流の性能と品質を堅持してきたからに他なりません。
1920年代に誕生したElmarというレンズでは、90年も前のレンズにも関わらず既に湾曲などの目立った収差は見られず、非常に高性能なレンズでした。
そこから大口径化、広角化を歩んで行きますが、どのレンズもとても優れた性能を有しているのです。
また、ライカは過去のレンズを最新のデジタルカメラでも使える互換性を有しています。
ライカは過去へのリスペクトを絶やすことなく、過去のレンズをデジタルカメラの現代でも最高性能を引き出せるように改良を重ねています。
ライカは最新の光学は勿論、オールドレンズのような旧来の製品も未だにリバイバル版を出したりとても大切にしています。
確かに国産のオールドレンズも優れたものがたくさんあります。
しかし、なぜライカのオールドレンズがこれだけの価格を維持しているのかというと、それはライカだからです。
L/Mマウント距離別お勧めレンズ
ライカのレンズは古いものだけでも100種類程あるそうです。
こちらでは、私の独断と偏見でオススメのライカのオールドレンズを紹介していきたいと思います。
広角レンズ(~28mm)
SUPER-ANGULON(スーパーアンギュロン) 21mm f3.4/f4 (1958~)
シュナイダー社設計のライカの中では超広角レンズ。
写りにかなりの定評があります。
ただし、後玉がかなり飛び出しているので、ミラーレスカメラへの装着は干渉するかもしれません。
(SONYのα7系ではギリギリOKみたいです。)
マウントはMマウントのみ。
相場:10 ~20万円 (f4のほうが安い)
Hektor(ヘクトール) 28mm f6.3 (1935~)
1935年発売のライカの中でも歴史ある超広角レンズ。
数あるライカのレンズの中でも、最も小型ではないかというくらいコンパクトなレンズ。
開放f値が6.3と暗いですが、当時は28mmという広角レンズはこの程度の口径が限界だったのですね。
描写については、このヘクトール、唯一無二といってもいいと思います。
使い方はやや限定されますが、スナップ撮影に開放で使っていきたいレンズです。
ちなみにヘクトールという名前は、ライツ社の最も偉大な光学設計者「マックス・ベレク」の飼っていた犬の名前だそうです。
マウントはLマウントのみ。
相場:7~15万円
Summaron(ズマロン) 28mm f5.6 (1955~)
上記のヘクトールの後継で開発されたレンズです。深度の数値が赤文字なので赤ズマロンとも呼ばれています。
レンズ構成はヘクトールとは全く異なり、描写性能も大きく向上したそうです。
2016年には復刻版も発売される程の名作。
意外と製作数は少なく相場は少しお高め。
マウントはLマウント、Mマウント。
相場:10~15万円
35mmレンズ
Elmar(エルマー) 35mm f3.5 (1931~)
1931年に発売された、50mmに次いで開発されたライカの最古参レンズ。
外観はまるで沈胴した状態の50mmエルマーのようで、パンケーキレンズよりも断然薄いレンズ。
開放では柔らかめ、一方で絞ればカリカリの描写になる極めてオールドらしいレンズ。
コンパクトなので、SIGMA fp等に合わせると面白いコンデジになりそう。
マウントはLマウントのみ。
相場:5~10万円
Summaron(ズマロン) 35mm f2.8/f3.5 (1946~)
エルマーと同スペックという、一見地味なイメージを抱きがちですが、テッサー型からダブルガウス型に構成が変更になりました。
これは、ライカの主力レンズのズミクロンと同じものです。
レンズ性能も素晴らしく、その安定感のある描写は、ライカの主力級レンズを手にしてもたまに持ち出したくなるとよく聞きます。
私もこのレンズはなかなか手放せないんですよね・・・。
開放でも若干暗いのがまさにたまにキズですが、現代のCMOSセンサーを採用したデジタルカメラであれば、高感度のISO3200等も常用できるレベルなので全く問題ないでしょう。
そして、このレンズの最もオススメポイントが、価格が安いということです。
ここ10年でライカレンズの相場は倍近くに上がってきているそうですが、このズマロンに関しては音沙汰なし…笑。
それも、ズミクロンという偉大なレンズの影に隠れていること、そして数多くのズマロンが制作されたのも要因なのではと思います。
レンズタイプはf3.5前期、後期、f2.8の3パターンがあります。
f3.5のものはLマウントとMマウントのものがあり、f2.8は恐らくMマウントのみです。
相場としては新しくなるごとに価格は高くなっていきますが、性能は明るさ以外には変わりません。
相場:5~15万円
Summicron(ズミクロン) 35mm f2 (1958~)
恐らくライカで最も有名なレンズ。
強がってもライカを知ればいずれ欲しくなります・・。
性能は言わずもがな、開放から素晴らしい描写で、絞るとより精細になります。
オールドと呼べるものは、8枚玉、6枚玉、7枚玉というものがありますが、販売店では種類が必ず書いてあります。
7枚玉、8枚玉は値段が高騰しすぎていて、相場は30万円はくだらないですが、6枚玉であれば、かろうじて20万円台から購入可能です。
ライカのレンズにハマってきたら、是非購入を検討してみてください。
マウントは8枚玉のみLマウント、Mマウント、両用あり、6枚玉以降はMマウントのみ。
相場:25~50万円
Summilux(ズミルックス) 35mm f1.4 (1961~)
なぜか1段暗いズミクロンよりも安く買えるのがこのズミルックス。
しかし、30年という驚異のロングランを達成したこのレンズ。それだけ生産され続けたのには理由があります。
開放では滲みがとても個性的ですが、1段、2段程度絞るととても素晴らしい立体感のある写りに変貌するのは、まさにオールドレンズの鑑と言えるのではないでしょうか・・。
それでも相場はやはりライカなのでお高めですが、個人的にはイチオシレンズです。
マウントはMマウント。
相場:20~200万円
50mmレンズ
ライカが最初に搭載したレンズが50mmであったことから、オールドレンズで最も豊富なのがこの焦点距離のレンズです。
Elmar(エルマー) 50mm f2.8/f3.5 (1925~)
エルマーの50mmはライカの基礎を作ったレンズです。
初期のライカに採用されたアナスティグナット(市価2億円)、そして、その後LeicaI型に採用されたエルマックス(市価100万円~)という伝説のレンズに続き、レンズ構成は殆どそのままに、量産化の為に改良され標準レンズとして生産され続けてきたのがこのレンズです。
形状も時代によって様々ありますが、基本的な性能は殆ど同じです。
f3.5という無理のない設計で、描写性能には癖も少ないので、安定感があり長年寄り添えるパートナーのような存在です。
第2世代からはf2.8に改良されました。
なお、初期の頃のものはコーティングがされておらず、フレアの発生やコントラストの低下が起こりやすいので、そういった表現を積極的に使いたいという方でなければコーティング付きを探しましょう。
マウントはLマウントとMマウント。
相場:2~10万円
Hektor(ヘクトール)50mm f2.5 (1931~)
ヘクトールは各焦点距離で用意されていますが、最初に登場したのがこのレンズです。
ヘクトールのレンズ構成は非常に個性的で、2:2:2の3郡6枚で基本的に構成されています。
こういったレンズ構成は他のレンズでは見られず、ヘクトール型とも呼ばれるまさに唯一無二のレンズ。
見た目は初代のエルマーとそっくりですが、当時の大口径レンズで、かなりの高級品だったそうです。
以降の50mmレンズに比べて製作数は圧倒的に少なく、かなり貴重なお品。
マウントはLマウントのみ。
相場:5~15万円
Summar(ズマー,ズマール)50mm f2 (1933~)
1933年に発売された当時のハイスピードレンズ。
設計者のベレク先生も失敗作と認めたとかそうじゃないとか?な訳ありレンズ。
その理由は、前玉のガラス素材が柔らかすぎたとか。
そのおかげで、現代までの生き残ってきたズマールの殆どがレンズ清掃による擦り傷だらけになっています。
しかし、本来の性能は、後述のズミクロンもびっくりの高解像度らしいです。
ただしズミクロンと異なるのは、絞りの形と背景のボケ感です。
絞りは他のレンズではあまりない、ドーム状の六角絞りになっています。
ボケはオールドらしいぐるぐるボケです。
そんな理由でお安くなっています。
とにかく安くライカのレンズを使ってみたい!という方はこのズマールが一番安く買えるかも知れません。
ただし、曇り、擦り傷がひどいと、本来の性能以前にソフトすぎて別物なので、そういうものは手を出さないのが無難です。
マウントはLマウントのみ
相場:2~20万円(固定鏡胴、先端がブラックペイントのものは高いです。)
Summicron(ズミクロン)50mm f2 1st (1953~)
ライカの主力レンズ名を冠するレンズですが、50mmは比較的安く入手することができます。
特に初代の沈胴タイプのものは、玉数も多く店頭でも安価で簡単に見つかります。
基本的には、ベレクさんの設計したズマール、そして後継のズミタールと似た設計なのですが、このズミクロンはべレクさんが亡くなった後にその弟子が設計したレンズです。
コーティング技術の進歩により前玉の2枚貼り合わせだったものを、あえて離して間に空気を取り入れたいわゆる「空気レンズ」と呼ばれていて、当時のレンズとしてはまさに桁外れの解像度を有しているそうです。
このレンズは伝説のライカ使い田中伊兵衛やアンリ・カルティエ・ブレッソンが愛用していたことでも知られています。
この2人も認める優れた描写特性はまさにライカらしいレンズと言えると思います。
逆にいえば、このレンズが優秀すぎるがゆえにオールドレンズのような癖を期待すると、少し期待はずれかもしれませんが、玉数も多くライカらしいレンズなので、非常にオススメです。
マウントはLマウント、Mマウント。
相場:4~15万円
Summarit(ズマリット)50mm f1.5 (1949~)
このレンズ、お得です。
このレンズのルーツは、クセノン50mmf1.5という、シュナイダーから設計の供給を受けて生産していたレンズにあり、1949年にその特許が切れたためにズマリットと名を替えて販売されたレンズです。
(正確には、若干の改良が加えられていますが。)
そして注目なのが、このレンズの後継で1959年に販売されたズミルックス50mmf1.4というレンズはこのズマリットとレンズ構成がほぼ一緒です。
つまり、このレンズはズミルックスです。そう聞くと、途端にお買い得に思えてきませんか?
このレンズはかなり個性が強いらしく(それでいいのか?)、個体によって、開放でフレアがでたり、滲んだり、はたまた開放からきっちり写るものもあるそうです。
ただ一般的には、35mmのズミルックス、50mmのズマールと並んでクセ玉として扱われています。
オールドらしい50mmのライカが欲しいならば、間違いないでしょう。
マウントはLマウント、Mマウント。
相場:7~12万円
望遠レンズ
ライカにとって50mm以上は望遠です。
Hektor(ヘクトール) 73mm f1.9 (1931~)
1931年にはもうこのスペックのレンズが作られていたんですね。
ポートレート用に設計されたヘクトール。
50mmのヘクトール同様に、2:2:2の3郡6枚のヘクトールオリジナル構成です。
その独特の描写に非常にファンが多いレンズで、とても人気があります。
また、デザインも非常に多岐にわたり、
すべて真っ黒だったり、一部がニッケルメッキやクロームメッキのものなど多くのパターンがあります。
ヘリコイドも先端が回る回転式と、回らない直進式の2パターンがあります。
マウントはLマウントのみ。
相場:15~60万円
Elmar(エルマー) 90mm f4 (1931~)
90mmの代表的レンズ。
時代によって鏡胴の形状も、レンズ構成も変わっていますが、性能はほぼ一貫しています。
色もブラックとクロームあり、ボディーカラーに合わせて選びやすいです。
一眼レフのレンズしか知らない方だと、90mmのレンズなのに、あまりの細さと短さにびっくりすると思います。相当コンパクトです。
描写も非常に安定していて、90mmの中ではズミクロンを抑えて一番との声もあります。
しかし、一番の魅力といえば価格です。
ライカの中望遠レンズは、あまり人気が無いので全体的に価格は安い傾向にあります。
特に数の多いこのレンズは、1万円程度から購入することも可能です。安っ。
マウントはLマウントとMマウント。
相場:1万円~10万円(Mマウントの沈胴と初期のダルマ型は高め)
Hektor(ヘクトール) 135mm f4.5 (1933~)
135mmということでライカのレンズではかなりの望遠レンズです。
コンパクトではないですが、ライカで一番コスパの良いレンズと言われている素晴らしいレンズです。
135mmという画角は少し使いづらいという欠点はありますが、その写りはとんでもないらしいです。
物撮りにもいけちゃうとか。
ただし、私は使ってみたいと思いつつ、ライカボディには大きすぎてなかなか購入する勇気が出ません。
この焦点距離になってしまうと、二重像の距離合わせも精度が難しく、三脚も必須になってきますからね・・・。
しかし、ミラーレスカメラにマウントアダプターを介して使用すれば、サイズ感的にもちょうど良く、ピント合わせも特に他のレンズと変わりませんからまさにミラーレス向けのライカレンズといってもいいんじゃないでしょうか。
マウントはLマウント、Mマウント。
相場:1~3万円
その他の選択肢:Rマウントレンズ
Rレンズというのは、ライカが1965年に発売した一眼レフカメラ「ライカフレックス」シリーズ用に作られたレンズ群のことです。
Rレンズに対応するボディはLeica R8まで販売されましたが、L/Mマウントと違って現行では使用できるボディが存在していません。
そのため、ライカのレンズの割にはレンズ相場がとんでもなく安くなっています。
例えば、Mマウントでは20万円は下らないズミクロン35mm f2も、RマウントのズミクロンR 35mm f2になれば5万円~という価格で購入できてしまいます。
50mmに至っては3万円代から。
更には一眼レフ用なので、望遠レンズも豊富にラインナップされています。
しかし、ライカはライカ。
写りはMマウントのものに比べて劣るということは全くありません。
ただ、R型は一番古くても1965年からですから、年代的にもその殆どは比較的新しく、オールドレンズと呼べるかは微妙なところなので、詳しくは別の機会に譲りたいと思います。
このRマウントレンズは、ライカのデジタルカメラでは距離計が連動せずピントを合わせられないのでほぼ使えないのですが、SONYなどのミラーレスカメラで使う分には映像を見ながらピントを調整するので何の問題もありません。
とにかくライカのレンズが使ってみたいという方は、あえて高価なL/Mマウントでなく、Rマウントレンズを選ぶという選択肢もあるということをここではご紹介しておきます。
正直、レンジファインダーで撮影をする方でなければサイズ的にもバランスが良くこちらの方が安いのでオススメです。(笑)
(と言いつつ、高いものは高いんですけどね。)
ズミクロンR系はこちらから
エルマリートR系はこちらから
ズミルックスR系はこちらから
カムというのは、R型ライカにつける時だけ気にするものなので、M240やミラーレス以降で使う場合には気にする必要はありません。
オールドレンズは面白い
今回は、私が買って良かったものや、欲しい物を中心にご紹介してみました。
ライカのレンズは、「空気を写す」とかいくつものいわれがあり、神格化されている節もあります。
最も偉大な写真家ブレッソンがライカを愛用していたからライカが欲しいという意見もありますよね。
しかし、ブレッソンは昔はツァイスやキャノンを使っていたし、亡くなる前ごろはコンパクトカメラのCONTAX Tを愛用していたそうです。
ライカのレンズはそんな逸話にもてはやされている節があるのは事実ですが、確実に言えるのはライカのレンズは一貫してコンパクトで、描写が良く、他のレンズには無い質感の高さを持っています。
そんな素晴らしいライカのレンズを持て余すことなく発揮するには、やっぱりライカのボディで使うのが一番だと思います。
安いのはLeica M-EやLeica M(typ262)で30万からいけますね。
レンジファインダーが嫌ならCLという選択肢もあります。
とにかく、ライカの素晴らしさは、オールドレンズでも十分に可能味わうことが可能ですし、オールドレンズのずっしりといた質感は現行レンズにもない魅力です。
みなさんもぜひ、ライカレンズ沼に片足を踏み出しましょう!
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