復刻版 Noctilux 50mm f1.2 ファーストインプレッションとオリジナルとの比較

こんにちは!前のめり(@maenomelife)です!

 

念願のレンズが遂にやってました。

LEICA NOCTILUX-M 50mm f1.2 ASPH.

 

このレンズは前からずっと憧れ続けていたもので、復刻版が出ると聞いてからすぐさま予約しておりました。

それについては、下記noteに書いたのでお暇な方はどうぞ…

 

ようやく日本にも入ってきて無事入手することができました!

 

Contents

復刻ノクチについて

この復刻版ノクティルックスは、オリジナルのレンズ構成はそのままに、現代のガラスでほぼ同じ描写を目指して開発されたレンズだそうです。

 

公式データより

非球面もオリジナルと同じ。

 

そしてマニアが気になる非球面レンズの加工方法については、切削研磨加工だそうです。

オリジナルの初期物は手磨きでとても貴重、中期からはモールドだとか言われていますが、本当かは知りません。

モールドの方が特性はいいのですが、こういうのは個性に価値が見出されますからね….

 

その点、これまでの現行ライカレンズでは採用されていない切削研磨というのはマニアの心をくすぐるのに一役買いそうです。

もしくはそもそも大量生産する気がないのかもしれませんが…

 

すでに大量のバックオーダーを抱えていて、記事執筆時2021年の2月現在で、既に年内の入手は困難だなんても言われています…

 

描写について

まさにノクティルックス。

 

復刻版はレンズ設計起因の収差は存分に残しつつも、精度の向上やコーティングの改良によってフレア等の改善が図られているように思います。

 

レンズの味については、復刻版でオリジナルを踏襲しているので今更語る事でもないのでしょうが、素晴らしいと思います。

しかしながら、背景のボケが煩かったりするのもそのままですし、描写の繊細さとかはF1.0の球面ノクティルックスが好きだという方のほうが多いかもしれません。

 

しかしその分コンパクトですからね。

ノクティルックスは必要性が分からないという意見は割とよく目にしますけど、そういう次元の話じゃないんですよきっと。…うん。

 

ピントが薄いせいか合いません。笑

普段は立ち止まらず歩きながら撮っちゃうのでガチピンの写真ってあまり撮れないのですが、このレンズはしっかり立ち止まって丁寧に取りたいです。

  

ノクティルックスはレンズの王といえるでしょう。

ズミクロンやエルマーが使いやすいと言ったって、フィアットとフェラーリじゃ格が違うでしょう?(分かりづらい?)

大きくて重いけど、明るい。それだけで十分ですよね。

 

以下、お粗末で申し訳ないですがササッと撮ってみたものを。

切り出しも現像も全くしていない、撮って出しです。すべて開放。

 

オリジナルとの比較

今回、このレンズは新宿の北村写真機店で購入させていただきました。

ここはやばいお店なので、300万円overのオリジナル版も在庫しています。

そこでお願いをして少し比較をさせていただきました!(ありがとうございました。)

 

それにしてもこの2本が一緒にあるこの空間、贅沢すぎる…

 

まずは外観

外観はほぼ同じ。かなり忠実に再現されていますね。

背の高さはリアキャップが復刻はかなり薄いものがついているため差があります。

 

絞りについては、クリック感がオリジナルははっきりしているのに対し、復刻はかなりしっとりとしています。

 

しかし、悲報が・・。

オリジナルに復刻フードは装着できませんでした。もちろんまた逆もしかり。

復刻フードの方が経が少し大きいです。

 

ですので、オリジナルフードは40万円するので復刻で代用できるかとも思ったのですが、諦めたほうが良さそうです。

 

そして描写について、まずはシャープネス。

オリジナルでは光学的コントラストの再現性向上の為にシャープネスを犠牲にされたという事ですが、このレンズでは改善したなんて話も聞きます。

オリジナル f1.2
復刻f1.2

 

オリジナル f8.0
復刻f8.0

 

オリジナル f1.2
復刻f1.2
オリジナル f8.0
復刻8.0

まず明らかに言えるのはオリジナルに比べて復刻は開放、及び絞った時もかなりシャープに写ります。

ただ、フリンジの出方は同等のようです。

 

そして、気になるのが色が全く違います。

オリジナルに比べ復刻が明らかに暖色よりになっています。

これ6bitコード認識による補正によるものなのか、レンズ自体の特性であるかはわかりません・・。

(M10-Dのレンズ補正オフ方法がわかりませんでした。)

 

これは、復刻時にシャープネスを改善したのか、それともフィルム用レンズであったものがデジタルレンズになった事で改善したのかまでは言えませんが、デジタルで使う分には復刻の方がシャープです。

 

ついでボケ感

オリジナル f1.2
復刻f1.2
オリジナル f1.2
復刻f1.2

ボケの特性はどうでしょう。

近距離時は違いはわかりませんが、後者の遠距離では少し違いがでています。

しかし、これはフォーカスの距離が違う可能性もあるので、参考程度にお願いします。

 

どちらもクリーミーに見えますが、実際は、光源が増えると少しザワッとします。

前ボケは左下に写っているケースで感覚がわかると思います。

おそらくライカはこのボケ感についてはかなり寄せて作っていると思うので、違いは無いんだろうと思います。

正確な比較ができず申し訳ありません。

 

逆行時のコントラスト

オリジナル f1.2
復刻f1.2

これについても、明らかに復刻が逆光に強いことがわかります。(黒の色を見る)

 

実際に比較すると、やはり復刻レンズはオリジナルに比べ、かなり描写が改善していることが分かりました。

しかし、逆に言えばオリジナルとは少し異なるレンズでもあるということです。

 

特に、開放の柔らかさ、光を取り込んだときのコントラスト感はオールドレンズ好きにとってはやはりオリジナルのほうが好ましいと答える方が多いと思います。

 

しかし、オリジナルを過去に所有していた方はシャープネスが物足りずにズミルックスを使っていたなんてお話もききますので、そういう意味では復刻レンズがこのNoctilux 50mm f1.2の完成形に仕上がっているとも言えます。

 

こればかりはどちらが良いと優劣をつけることは私にはできません。

 

もっと実写的なものは、オリジナルをお持ちの方に貸していただこうかなと勝手に思っているので、その時にまた検証してみたいと思います。笑

 

ライカ歴代屈指のバーゲンセール?

復刻ノクチはゴミだ無駄金だという意見もありますが、実際のところはライカ製品としてはバカ売れしてます。

 

そもそも高価な写真レンズは高性能でなければいけないのか?

 

例えば、高性能なレンズが欲しいというならばコシナの50mm APO-Lantharがあります。

レンズの役割は光を小さな面積に集める事ですから、それは引き伸ばす事を前提とした性能が重要になってきます。

 

上記レンズが引き伸ばしに優れているかは分かりませんが、おそらく良いと思います。

10万円出せば、A2どころか壁一面に引き伸ばすことさえ可能なレンズが買えると思います。

しかし私たちの多くは、精々40インチくらいのデジタル画面での鑑賞がいいところでしょう。

そういった解像度の要求レベル下においてそれが満たされさえすれば、レンズの本質はその写真を見て美しいと感じるかに尽きると思います。

 

ノクティルックスは特性は良くないかもしれません。でも、絵は美しいです。

このオリジナルは3-400万円ですが、復刻版は100万円です。

お買い得ですね。

 

オールドレンズの復刻というのは非常に意見が分かれるテーマだと思います。

このレンズはオールドとしては1966年に生まれた非球面レンズと比較的新しいレンズが元となっているのであまり劇的な変化はありませんが、Thambarは酷評も多くありますしね。

あくまで現代的な破綻のない安定感を持ちつつも、オールドレンズの雰囲気を併せ持つというバランス感覚で組み上げられた、オールド(風)レンズと言ったほうがいいのかもしれません。

誰しもが好んで使えるレンズではないことは断言できますが、ハマればこれ以上ない贅沢なのだと思います。

ぜひお買い上げを!

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • オリジナルには、トリエルマーのフードが装着可能であると計算機自然のY.Oさんに教えていただきました。

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