フランスのシネレンズ。Kinoptik,Angenieuxの50mmを購入しました。

こんにちは!前のめり(@maenomelife)です!

 

前回の記事から2週間。

2週間前に私はなんと言っていたかな。

 

機材探しも冒険かもしれませんが、写真はカメラを買ってからが本番です。

今まではルイーダの酒場でたむろしてただけかもしれません。

ほしい機材はまだまだありますけど、この辺が一つの区切りなのかなぁとも思います。

 

そうそう、もうレンズは揃ったから買わないって言ってました。

 

買いました。

 

・Kinoptik Apochromat 50mm f2

・Angenieux Z2 50mm f2.9(おまけ)

 

流石に最近ちょっと買いすぎました。

 

ただ正直なところ、ズミルックス50mmは非常にいいレンズなのですけど、35mm,75mmに比べると突き抜ける個性が無いというか、みんな持ってるというか・・・

正直もうライカの50mmはNoctilux以外ほしいものが思い浮かばない。

と言い訳を並べて新しい50mmを模索していました。

 

今回購入した2本は上記記事で思い残すと書いていた、シネ由来のレンズ(の中では安物な方)です。

 

まだ外には持ち出せていないので良い作例はお見せできませんが、1本ずつ超簡単に紹介させてください。

 

Kinoptik Apochromat Focale 50mm f2 (M改)

Kinoptik(キノプティック)はフランスの工学メーカーです。

 

軍需用を除けば、主にはシネレンズとして完全受注生産でレンズを販売していたという非常に特殊なメーカーです。

私自身スチルの知識は若干あれどシネレンズは未知の世界だったので、超高額カメラのALPA用に100mm,150mmがオーダーメイドで供給されていたという知識しかありませんでした。

アルパはマクロスイターで有名ですね。

 

このALPA用Kinoptikは中古店でたまにぶっ飛んだ値段(50-100万)で売ってるなーと気にしてこなかったレンズだったのですが、シネ用に50mmのレンズがあると知ってからは、早かったです。笑

 

このKinoptikのレンズは非常に高級・高額で、生産するレンズがほぼ全てアポクロマート仕様という徹底ぶりです。

高級なライカのレンズよりも更に倍以上の値だったそう。

 

レンズラインナップも非常に少なく、広角から望遠まで各焦点距離で明るさのバリエーションは持たず1種類のみの取り扱いだったそうです。(一部f1.3の特殊レンズも製造)

レンズとマウントを選んで発注するシステムだったようで、同じ50mmでも様々な形があり非常に興味深いです。

 

そんな完全受注生産・超高品質なKinoptikは、過去には最も格の高いシネレンズとして君臨していたというなんともすごいレンズ。(現在もほそぼそと生産しています)

購入させて頂いた店長さん曰くKinoptikに憧れを抱いてきた方は非常に多いそうなので、私自身あまり知らずに購入してしまっていまい、叱られてしまいそうです。

 

今回購入したのはMマウントに改造されたもので、シネレンズ界では有名な台湾製ヘリコイドに移植されています。おそらく以前はCマウントのものだったと思われます。

 

この手のレンズはLマウントへの改造も多く、そちらでは最短1mとなってしまうので、Mマウント改造品に拘りました。最短は70cmまで寄れるのでかなり実用的です。

 

レンズの描写は一言では言い表せないのですが、とにかく凄い写真を吐き出します。

 

記念すべきファーストショット。

ただレンズの雰囲気を確認するためにコンビニに行く途中に適当に撮ったので構図も被写体もなんのヒネリもないショボショットなんですけど、写真から力強さというかオーラがにじみ出ています。

 

開放では、ヴェールを被った中にシャープさが同居していて、非常に官能的です。

 

ライカでいえば私の好きなズマールに似ていますが、それをより上品に仕上げたイメージです。

 

 

 

 

 

しかし、このレンズの最も目を惹くところは、ボケかもしれません。

 

二線気味で見る人にとっては汚くてダメダメに写るかもしれませんが、好きな人には旨味のものすごいボケです。

 

 

それにしてもこのKinoptikというメーカーのレンズはインターネット上の情報が本当に少ないです。

片手で数えるくらいしか情報が出てきません。

 

ただ、撮って分かることは他の大口径シネに比べると傾向が全く異なり、開放から収差の破綻が少なく上品な写りをするということですね。

 

オールドレンズなのに、そのへんの新品現行ライカレンズと同じくらいの値段でした。

改めて、恐ろしいところに足を突っ込んでしまったような気がしました。

 

Angenieux Z2 50mm f2.9 (M改)

このレンズは、一度使ってみたかったのでKinoptikのついでに購入してしまいました。(非常に安かった)

 

Angenieux(アンジェニュー)は上のKinoptikより圧倒的に知名度の高いメーカーじゃないでしょうか。

その得体は知らなくても、アンジェニューのような・・・といった表現はよく用いられるので聞いたこともあるのでは。

(昔ニコンを使っていた頃も、Tokinaのズームがそう言われてました。)

 

Angenieuxはシネレンズメーカーで、メインストリームのシネママウントレンズは比較的安価に入手することができます。

 

また、Angenieuxはレンズにアルファベットの名前をつけることで、レンズタイプが分かるようになっています。

例えば、Angenieuxが生み出した代表作とも言えるレトロフォーカスタイプはR、ダブルガウスはS、そしてこのレンズのZはトリプレットです。

 

アンジェニューはシネカメラ用マウントに加え、ライカL39(イタリアのライカコピー)、ALPA,Exakta,Rectaflexなどのスチルカメラ向けにも供給していました。

ざっくりと、L39マウントのものは全て高く、ダブルガウスのSはシネマウントでも非常に高価。

 

しかしながら、製造数自体は上のKinoptikなんかに比べれば遥かに多かったので、それ以外は10万円しないくらいで購入することができます。

 

私の購入したZ2もL39,ALPA,Rectaflex等に供給されており、私の個体はこのRectaflex用レンズをライカのヘリコイドに移植しMマウントに改造されたものです。 

お値段は変わらず数万円です。

 

Angenieuxの中でもZ2,Z5は特に格安です。

しかしながら写りについてはトリプレットだからといってバカにしてはいけません。

 

トリプレットは中央の解像度においては、50万円くらいするS1やS21というダブルガウスの50mmf1.8よりもシャープに写るそうです。

 

アンジェニューといえば、その独特の柔らかさがイメージにありますが、実際に使ってみるとトリプレットであるからかかなりシャープに写ります。

 

開放が2.9と暗いのも理由の一つだと思います。

 

このレンズの個性はどこにいるんだろうと思いながら散歩道の草木を見返していると、上のKinoptikに比べて写真に青々しさを感じます。

 

色が淡いイメージがあったんですけど、こうやって見てみると、夕暮れの情緒的な色をどっさり残してくれています。

 

ハイライトはあまり粘らないけど、シャドウ寄りが強い気がします。

ツァイスとかとは全然方向性が異なりますね。

 

ボケはf2.9なこともあり、あまり強くは感じずにディティールが残っています。

ボケも楽しみたいなら、より高価なダブルガウスのレンズを求める必要がありますね。

 

薄曇りな天気では一見コントラストも彩度もダイナミックレンジも低い、だめオールドレンズの刻印を押されかねない描写ですが、うまく光が乗ると不思議と雰囲気が出てきます。

 

 

アンジェニューの好きな方に答えを聞いたところ、アンジェニューというレンズは緑が強めに出るそうです。

 

アンジェニューの正体も正直まだ殆ど掴めていませんが、色が乗らないレンズなのかと思っていたら全然そんなことはなくて、しっかりシャドウ側が残るので天気の悪いヨーロッパならではなのでしょうか。笑

 

Angenieuxも王道的なシネレンズとしても一度使ってみたかったレンズなので、今後もっと研究していきたいと思います。

 

シネレンズに拘りは無いけれど魅力は大きい

今回は初めてフルフレームをカバーする、いわば高くて使えるシネレンズを購入しました。

 

しかし、シネレンズを買ったのは、映画っぽいドラマティックな絵を期待するとか、Twitterでよく見るシネマティックなんとかみたいな淡い色の写真が撮りたいわけでは有りません。

純粋にスチル向けに私の好みであろう工学性能を求めての1本(とおまけ1本)です。

 

私はずっとライカのズマールの描写が好きで愛用していましたが、ズマールは3,4万円程度と非常に安価に手に入るので他にもっといいレンズがあるのではないかと目移りしてしまうのです。

ツァイスもエルマーもズミクロンもズミルックスも色々使いましたけど、やっぱり3万円で買えるズマールが好きでした。

 

今回のKinoptikは私的にはズマールの上位互換です。

ズマールにより描写に品を加えて、かつお値段も10倍以上なので所有欲も満たしてくれます。

同じ50mmf2で4群6枚ダブルガウスなので傾向も少し似ていたのかもしれませんね。

 

シネレンズは、いわば業務用で高い品質と描写性能が求められるものです。

それはスチル、特にスナップで使っても素晴らしい効果が期待できると思います。

 

シネレンズの憧れは変わらず、ドイツのHugo MeyerやイギリスのDallmeyerの希少レンズではありますが、今回を期にドイツ以外にもイギリス、フランス、アメリカレンズの個性も理解できるようになりたいなと強く感じました。

アストロベルリン、ベルチオ、テイラーホブソン、ケルン、ウォーレンサック、、などなど。

まだまだ知らない世界がそこには広がっていて、興味がつきません。

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