こんにちは!前のめり(@maenomelife)です!
毎度マニアックな内容ですみません。
前回ご紹介した5005,5008は、それ以降のロットに比べてかなりのプレミア価格がついています。
それはショットガラスが使われている噂があるとか、描写性能は良いとか、この捨て番が1000とか2000しか作られていない所から来ています。
しかし、実際のそのガラスがそれ以降の安価なものに比べて全く同じだという可能性すら否定できません。
少なくとも見た目はシリアルナンバー以外はぱっと見同じです。
これを書くと内容によってはカメラ屋から怒られる未来が見えますが、それでも真実を書くのがこのブログのポリシーという事にしておきます。
前回は簡単に描写の比較をしましたが、正直70年前のレンズを厳密に比較することの方が状態変化が想定されるのでナンセンスとも思います。
ですので、今回はガラスを分解してみて設計が本当に異なるのかという視点で見ていきたいと思います。
5008と619
私が所有しているのはこの2本です。
NIKKOR HC 5cm f2は、
609→708→806→811(ここまで沈胴鏡胴)→5008→617~
と、かなりの回数の小変更が行われてきています。
前回の調査では、811には既に国産硝子で安定した描写が得られる設計が確立したと書きました。
ということは5008は実はその後の617と捨て番は違えど中身は同じなんじゃないの?と湧いてはいけない疑問が。
5008で1000本弱製造され、その後617401から始まりこのレンズは2500本目位?
ですから、だいたいこの5008と619は3000本程しか製造順序が変わらないことになります。
その後10万本作られたレンズですから、この番号の近さで何かしら差があれば、明らかに5008はそれ以降とは異なる光学系であることが分かると思います。
分解してレンズを比べてみる
というわけで手っ取り早く分解して見てみようと思います。
ちなみに、レンズ構成はこのような3群6枚のSonnar型です。
はじめにレンズ一体の重量を。
差は殆どありません、誤差の範囲です。これは嫌な予感が。
分解は他の国産レンズとほぼ同じ組み上げ方ですので、すんなりと外れます。
ただし、レンズは全てブロックで固定してあり、ここを外すとピントが狂ってしまうのでこのままで確認したいと思います。
また、3群は外すのが特殊な工具若しくは絞りユニットを外さなければ取り出せなさそうでしたのでそのまま確認します。(今回は分解清掃が目的ではないので。。)
1群目は誤差の範囲です。見た目も全く同じ。
2群目は結構差がでました。
このブロックは3枚貼り合わせですが、よく見ると1枚目のレンズ曲率がやや異なっているように見えます。
右の5008の方が明らかに盛り上がっていますよね。
ブロックの金型の形、3 枚目の形状も異なっています。
硝子は沈胴811設計ではBaF10,FK1,SF8だと思いますが、同素材であるか、はたまた変更されているかは分かりません。イエナガラスの候補とすればBaF10やSF8等でまさにここの1枚目、3枚目に一致しますね。
仮に同素材だとすれば確実に描写に違いが出るはずですし、そうでないのであれば硝子の種類が異なるということになりますが、外観ではこれ以上のことは分かりません。
3群目は鏡胴分が重すぎてガラスの差異はここからは判断できませんが、見た目では同じに見えました。
これも厳密に比べると若干の差異があり、レンズユニットの固定位置関係が若干異なる可能性があります。
最後はあまり関係ありませんが、
こちらで重量の辻褄が合う形ですね。
若干ノブ形状が違いますが、こちらはほぼ同じ。
よく分からんけど、光学系は違う
お粗末でしたが、とりあえずは5008と619の比較でした。
そして、5008と619(617xxx~)においては光学設計が異なるのは間違い無いと思います。
○5008xxxx≠617xxx
ただし、811と5008が異なるかもまた確認しなければ5008の唯一無二な光学系の証明はできません。
また、5008はそれ以降の大量生産されたものとは異なることは分かりましたが、それがどのようなガラスを使ったかまでの特定には勿論至っていません。
こんなことをしなくても、ニコンの当時の全ての設計資料が閲覧できればそれが最も確実なのですけれど….笑
というわけで、”5008はやはりなにか違う”というお話でした。
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