フィルムカメラのランニングコストが高すぎたのでネガフィルムを自家現像してみた。手順と現像用具まとめ。

*現像液の廃棄に関する意見を頂いたので追記します。

現像薬品は適切な処理を行われず環境に悪影響を与えてきた背景があります。

フィルム写真文化を守りたいのであれば、環境負荷が高いというフィルムの特性上一般人レベルであっても一人ひとりが細やかな配慮を行うことによる成熟したフィルム文化の発展が必要不可欠と考えています。

昔の基準では下水道に捨てていた時代もあったり、個人レベルでは下水道への希釈放水を推奨しているサイトもあるようですが、現代では個人レベルであっても水道法、焼却法等を遵守し適切に廃棄処理を行う必要があります。(基準を満たした上で下水道へ捨てることは問題ありません。)

廃棄方法についての詳細はお住まいの自治体にご確認ください。

 

こんにちは!前のめり(@maenomelife)です!

 

私は2019年、令和の年にしてフィルムカメラデビューしました。

しかし、今の時代、フィルムカメラは完全に趣味の中でもマニアックな部類のもの。

 

フィルムには現像という工程が必要不可欠なわけですが、当然利用者が減ってくると、現像する業者も機械の維持費だけかかるようになり儲けが無くなるため、サービスはどんどん縮小傾向にあります。

昔はダイソーでもフィルムの現像を請け負っていたらしいです。

 

本来であれば、微力ながら市場を活性化させるために、お店に頼むべきなんでしょうが、キタムラ等メジャーなお店の現像価格が1本あたり648円です。

写真を36枚撮る度にフィルム代に加え、現像代がかかってきます。

贅沢な趣味であることは重々承知ですが、やはり我慢していては、いずれやめてしまうのがオチです。

自家現像により現像代を浮かせれば、その分たくさん写真を撮ることができ、フィルムカメラの活性化にも繋がると思い、こちらで手順をまとめてみたいと思います。

 

私自身調べていて分かったのが、やはり古い趣味なので、昔の情報は見つかるのですが、現在は発売されていない薬品があったりするので、2019年現在で容易に入手可能かつ簡単な方法をご紹介したいと思います。

なお、現像はカラーとモノクロのネガフィルムで使用する薬品が異なるようなので両方を紹介したいと思います。

 

なお、具体的な方法については、文章で説明するよりも動画で見ていただいたほうがわかりやすいので他の方のYouTube等での動画に役割は譲りたいと思います。

 

カラー・モノクロ共通の現像用品

必要なもの

・現像タンク、リール

・ダークバッグ

・フィルムクリップ

・フィルムピッカー

・1L程度の計量カップ

・桶状のもの

・メスシリンダー(10ml単位で図れるカップでもOK

・温度計(デジタルなら1本、アナログなら2本)

・液体を撹拌できる棒

・その他用品(ゴム手袋、スケール、ゴーグル、はさみ)

・ポリタンク(廃液の数だけが無難)

 

現像タンク、リール

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この中で薬液を撹拌させて現像します。

プラスチック製、ステンレス製どちらでも大丈夫ですが、プラスチック製の方がやりやすいとの評判です。

値段は5000円~

最初は2本か4本用がおすすめです。

 

ダークバッグ

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フィルムを感光させずにリールに巻いてタンクに入れるために必要です。

大きいサイズが作業性が良くてオススメです。

 

フィルムクリップ

フィルムを乾燥するときに使います。

100金のクリップでも問題なさそうですが、重りもかねているので、下側にはフィルムの巻グセに勝てるぐらいの重さは必要です。

長さも2mぐらいになるので、天井に近い位置で引っ掛けられるような工夫が必要です。

 

フィルムピッカー


主に35mmフィルムをパトローネ(ケース)から引き出すのに必要です。

専用品ですが、使えれば何でもOK

 

計量カップ

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1Lのボリュームで、100ml単位で計れれば大丈夫です。

100均で売って入れば、それでも十分です。

4個位あると便利です。

 

桶状のもの

上記の計量カップを保温するためのもの。

計量カップが4個分くらい並べられればベストです。

100均で買えます。

 

メスシリンダー

薬液によっては結構中途半端な量を使うのであると無難です。

レンジは1ml単位

スポイトもあってもいいかも

 

温度計

100均でもいいですが、専用品もあります。

2本はあると便利です。

 

○撹拌

私は専用品ですが、極論いえば水に浮かなければなんでもいいです。

ただし、ムラがでると現像に影響が出るので、よく撹拌しましょう。

 

○その他(手袋、スケール、ゴーグル、ハサミ、お湯を沸かせるものなどなど)

全て100均でそろったり家庭にあるものかもしれません。

ただし、薬品を取り扱うのでお湯を沸かすもの以外は食品を扱うものとは別に取り扱うようにしましょう。

デジタルスケール キッチンスケール USB充電式(usb&乾電池両対応) 高精度センサー 電子はかり 計量範囲0.1g~3000g 量り 電子秤 はかり 皿はかり 個数計算 風袋引き機能 オートオフ 調理 お菓子作り 台はかり 業務用 プロ用 (ブラック)
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ポリタンク

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使用した廃液を貯めておくものです。

詳しい処分方法については各自治体に廃棄物の相談窓口があり、処理業者を紹介して貰ってください。

産廃は自分では運搬することができないので、ポリタンクにためておき捨てる分だけ、別途折りたたみの安価なボトルに詰め替えたりするのが良いと思います。

20L程度のものを廃液の数だけ用意してください。(基本的には廃酸、廃アルカリ、汚泥の3種で3個用意しましょう。)

 

必要な薬品と現像方法

 

カラーネガ現像

必要なもの

・現像液 オリエンタルカラー CNL-NR (A液、B液セットです)

・漂白液、兼定着液 Kodak エクタカラーRA漂白・定着補充液(A液、B液セット、感光紙用ですが気にせず)

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・速乾剤 富士フイルム ドライウェル(なくても良い)

 

工程

1.現像液、漂白・定着液、ドライウェルの溶液を作る。

標準的な配合比率は以下のとおりです

現像液:250ml

A 25ml

B 25ml

200ml

漂白定着液 250ml

A 35ml

B 50ml

165ml

*ざっくり適当でおk

現像液と漂白定着液は36~42度程度が良いようです。

 

2.事前に準備しておいたリールを巻いたタンクにA液を入れ反応させる。(4分10秒)

60秒撹拌60秒放置10秒撹拌50秒放置10秒撹拌50秒放置10秒撹拌排出

 

3.B液を入れて反応させる(7分)

60秒撹拌60秒放置10秒撹拌50秒放置10秒撹拌50秒放置10秒撹拌50秒放置10秒撹拌50秒放置10秒撹拌50秒放置排出

 

4.リールを空けて、水洗。(1分程度)

フィルムに直接当たらないようにゆるやかに中の水を循環させながら水洗。

取り出してカップ内で行ってもOKです。

 

5.ドライウェル溶液に30秒浸す。

6.リールを1個ずつ軽く振り、水を切る

7.クリップで乾燥させる。

 

※作成した溶液は複数回現像を行うことができます。作成した溶液1Lあたりフィルム8本が目安ですが、次の現像まで期間が空く場合には廃棄しましょう。

モノクロネガ現像

必要なもの

・現像液 富士フイルム(スーパープロドール or ミクロファイン)

ミクロファインが上位的位置づけ。細かい粒状のフィルムと特に相性がいいみたいです。

しかし、現像時間は長めで、増感現像ができません。

私はミクロファイン派。

 

・停止液(クエン酸、100均のお掃除コーナーで買える)

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・定着液 富士フイルム スーパーフジフィックス

 

・水洗促進剤 富士フイルム QW

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・速乾剤 富士フイルム ドライウェル

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工程

1.現像液、停止液、定着液、水洗促進剤、水滴防止剤の溶液を作る。

 

・現像液

配合比率は、パッケージに記載の通り。

使い切りサイズでは、袋一袋に対して1Lです。

粉末タイプでは、一度30〜40℃の水に溶解させ、その後常温に戻します。

常温に戻るまで時間がかかるので、前日等にやっておくのがお勧めです。

水1Lでフィルム10本程度現像できますので、2回目以降はペットボトルなどに保存しておきましょう。

 

・停止液

私は酢酸の匂いが臭いのでクエン酸です。(定着液に酢酸が含まれるのであまり意味ないですが・・)

水1Lに対して、15g程度を溶解させます。こちらは常温でもすぐ溶けます。

 

・定着液

パッケージ規定の割合で希釈させます。

こちらは前工程の停止をきちんと行えば、フィルム50本〜使用できます。

コンスタントに現像を行っていれば、再利用時に減った分を現役で補充していくとほぼ無限に使えます。

 

・QW,DW

パッケージ記載のとおり。常温でOK。

 

2.事前に準備しておいたリールを巻いたタンクに現像液を入れて撹拌。

60秒撹拌60秒放置10秒撹拌50秒放置10秒撹拌50秒放置→以下繰り返し→回収

パッケージに温度に対する反応時間が記載されているので、その通りに行います。(適当でも大丈夫)

 

3.停止液を入れて撹拌。

30秒撹拌→排出

長すぎも良くないようです。

現像液を残さないよう、良くタンク内で循環させるのがコツです。

 

4.定着液を入れて撹拌。

60秒撹拌60秒放置10秒撹拌50秒放置10秒撹拌50秒放置→以下繰り返し→回収

パッケージに温度に対する反応時間が記載されているので、その通りに行います。(適当でも大丈夫)

300秒〜600秒程度なので、最初は7分位、再利用では長さを気持ち長めがいいのではないでしょうか。

 

5.水洗。

まずはプレ水洗。タンクに水を入れ、30秒ぐらい撹拌し、排出。

次に、水洗促進剤を入れて、60秒撹拌し、排出。

最後にタンクの蓋を空けて、フィルムに直接当たらないようにゆるやかに中の水を循環させながら水洗。(300秒〜600秒程度)

 

6.ドライウェル溶液に30秒浸す。

7.リールを1個ずつ軽く振り、水を切る

8.クリップで乾燥させる。

 

自家現像でオトクに

今回紹介した薬液を除いた機材は中古で揃えれば全部で1万円もかかりません。

 

薬液代もカラーネガで言えば、

現像液4000円だとがフィルム1本あたり18.9

定着液が4000円だと1本あたり100

その他諸々考慮しても1本あたり130円でできると思います。

 

例えばネガ200本を自家現像すれば、

材料費は26,000円です。

機材で10,000円としても

648円で店舗で200本現像したら129,600円もかかります。

そのため、費用を差し引けば93,600円も安く済ませることができるようになります。

 

何度も言いますが、廃液処理は自治体及び処理業者に確認し適切に行ってください。

分からないうちは、薬液毎に保管しておけば間違いありません。

 

うまくできるようになるまでは、ある程度の写真を無駄にしてしまうかもしれませんが、自分で行うことで、現像までの時間も短縮できますし、何よりも安く済ませることができます。

特に増感処理はそれだけで1本1000円とかかかってしまうので、自家現像がとても有利です。

 

自家現像は難しいものではありませんし、現像方法によって表現の幅も生まれます。

フィルムカメラユーザーの皆さんの助けになれば幸いです。

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