【完全版】ネガフィルム・リバーサル フィルムの自家現像を始めたい方向けの手順と現像用具まとめ。

※2019年に作成した当記事ですが、2年経ちフィルム環境も変わってきたのと、色々と知識もついてきましたので、大幅に内容を改変させて頂きます。

 

こんにちは!前のめり(@maenomelife)です!

 

私は2019年、令和の年にしてフィルムカメラデビューしましたが、今の時代フィルムカメラは完全に趣味のものになってしまいました。

  

フィルムには現像という工程が必要不可欠なわけですが、当然利用者が減ってくると現像する業者も機械の維持費だけかかるようになり儲けが無くなるため、サービスはどんどん縮小・値上げしてしまいます。

(昔はダイソーでもフィルムの現像を請け負っていたらしいです。)

 

本来であれば市場を活性化させるためにもお店に頼むべきなんでしょうが、メジャーなお店の現像価格はどんどん上がってきています。

参考までに某K店で1本あたり792円(2019年執筆時では648円..)です。

このようにフィルム代に加え、現像代がかかってきます。

 

また、価格以外で納期も気になる所ですよね。

カラーネガは一部店舗では持ち込みで即日なんてところもありますが、基本的には1週間〜待ちですので楽しい思い出を直ぐにシェアしたい時なんかにももどかしく思いますよね。

 

贅沢な趣味であることは重々承知ですが、やはり我慢していてはいずれやめてしまうのがオチです。

自家現像により現像代が安くなればその分たくさん写真を撮ることができ、フィルムカメラの活性化にも繋がると思いこちらで手順をまとめてみたいと思います。

 

対象フィルムは、モノクロネガ、カラーネガ、そしてカラーリバーサルフィルムです。

 

Contents

モノクロ、カラーフィルムで用いる現像用品

必要なもの一覧(全フィルム共通)

・現像タンク、リール

・現像液(各説明ページで個別に紹介します)

・ポリビン(現像液保管用)

・ダークバッグ

・フィルムクリップ

・フィルムピッカー(中判は不要)

・1L程度の計量カップ(できれば4つ以上)

・桶状のもの(上記計量カップを2つ以上入れられる大きさのもの)

・温度計(デジタルなら1本、アナログなら2本)

・撹拌棒

・デジタルスケール(0.1g単位)※モノクロの場合はあまり使わないかも…

・ポリタンク(廃液保管用)

・その他用品(タイマー、ゴム手袋、ゴーグル、はさみ、電気ケトル・製氷機)

カラーネガ、リバーサルフィルムで上記に加え必要

・メスシリンダーとスポイト

・低温調理器(あると非常に便利)

・PH計(リバーサル)

 

用具詳細

○現像タンク、リール

この中で薬液を撹拌させて現像します。

プラスチック製、ステンレス製どちらでも大丈夫ですが、プラスチック製の方が楽で上記のパターソンは私も使用しています。

ステンレスのものはフィルムをリールに巻きつけるのがやや難しく、私も未だに失敗してフィルムがくっついてしまうこともありますので、不安な方はプラスチック製がオススメです。

 

しかし、ポジフィルム現像においてはステンレス製の方がやりやすいです。(ステンレス製は中古のみ)

最初に買うならば135フィルム2本か4本用が良いと思います。

 

プラスチックリール、ステンレスリールのフィルムの巻き方は、YouTube等の動画を参考にしてください。なお、このフィルムを巻くのは下記のダークバッグ内で行い、蓋を確実に閉めてください。

 

○ポリビン

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再利用できる現像液を保管するもので、遮光性のあるものが望ましいです。

使用する現像タンクの大きさにもよりますが、基本的には1Lのものが使い勝手が良いと思います。

 

簡易的にはそのへんにあるボトルでも支障がない場合が殆どですが、あまり高いものでもないので持っておくと便利。

目安としてはモノクロの場合は1Lが2本(現像液と定着液用)

カラーネガの場合は準備する液にもよりますが、2L分、リバーサルの場合には6L分あると楽です。

 

ダークバッグ

フィルムを感光させずにリールに巻いてタンクに入れるために必要です。

大きいサイズが作業性が良くてオススメです。

 

フィルムクリップ

フィルムを乾燥するときに使います。

工夫すれば100均のクリップでも使用できますが、なるべく幅が広いものを選んでください。

フィルムをしっかり張れる重みが必要です。

長さも36枚撮りでは2mぐらいになるので、天井に近い位置で引っ掛けられるような工夫が必要です。

 

フィルムピッカー

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主に35mmフィルムをパトローネ(ケース)から引き出すのに必要です。

中判(120)フィルムには必要ありませんが、中判しかやらないということはなかなかないと思いますので、ひとつは持っておきたいものです。

 

計量カップ

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1Lのボリュームで、100ml単位で計れれば大丈夫です。

100均で売って入れば、それでも十分です。

4個位あると便利です。

 

桶状のもの

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上記の計量カップを保温するためのもの。

計量カップが最低で2個,できれば4個並べられるもの。

現像液の保温・保冷に使用します。

 

温度計

100均でもいいですが、専用品もあります。

デジタルは即時測れるので1本でも大丈夫ですが、アナログは2本あると便利です。

 

○撹拌

以前は何でも良いかなと書いていましたが、粉末状、固形を溶解する時はやはり専用品があると便利です。

ビーカー内部を速やかに均一に撹拌できます。

 

○デジタルスケール

もしリバーサルを行いたいと思うならば必ず0.1g単位で測定できるものを選んでください。

また、レンジが広い(量れる最大の重さが重い)と、計量カップに入った溶液ごとのせて少量の固形を測定するなんてこともできるのでオススメです。

主には粉末状の現像液や、富士QW等の添加剤、リバーサルフィルムの現像液に溶解する化学薬品を測定するのに用います。

 

○その他(タイマー、手袋、ゴーグル、ハサミ、お湯を沸かせるものなどなど)

全て100均でそろったり家庭にあるものかもしれません。

ただし、薬品を取り扱うのでお湯を沸かすもの以外は食品を扱うものとは別に取り扱うようにしましょう。

スマホで代用可ですが、手が濡れていたり手袋をしているので、物理的に用意していたほうが使いやすいです。

 

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現像液は強アルカリの為、皮膚を溶かします。手袋をしておくと良いと思います。

 

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ポリタンク

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使用した廃液を貯めておくものです。

詳しい処分方法については各自治体に廃棄物の相談窓口があり、処理方法を紹介してもらってください。

現像液はアルカリ性、漂白液・定着液は酸性です。

 

カラーネガ・リバーサルで必要なもの

○メスシリンダーとスポイト

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カラー現像原液は希釈率が高く、1回の使用で4~20ml程度を測定して使用します。

ですので、上記のような100mlのシリンダーや10mlのスポイトが使いやすいと思います。

 

○低温調理器

これは高価なので最初は無しでも良いですが、便利なのできっと欲しくなると思います。

カラー現像液は38℃(若しくは30℃)での恒温状態で現像を行います。

モノクロであれば、液温を測定し対応した現像時間が導けますが、カラーの場合は温度を守らないと色がうまく出なくなります。

 

基本的にはお湯を温めるだけではありますが、現像液と触れる可能性がある環境での使用になりますので、食用とは分けてください。

 

○PH計(リバーサル)

リバーサルではPHによって色かぶりが発生します。

自分の環境に慣れるまでは、都度PHを測りながら行うことを推奨しています。

 

必要な薬品と現像方法

各所を参考に色々実施し、うまく行ったものをまとめています。

 

・基本的なモノクロネガ現像(必修!)

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自家現像でフィルムをより楽しもう

最近人気が再燃しているフィルムの自家現像ですが、色々な現像液を使ったり微妙な調整を行ってきて網羅的にまとめることができたと思います。

 

現像代については初期投資こそかかりますが、自家現像ならば1本あたり200円程度で行うことができるようになります。

 

うまくできるようになるまでは、ある程度の写真を無駄にしてしまうかもしれませんが、自分で行うことで、現像までの時間も短縮できますし、何よりも安く済ませることができます。

特に増感現像は追加料金がかかるものですが自家現像では手間がかからず実践できます。

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自家現像は難しいものではありませんし、特にモノクロでは表現の幅も生まれます。

 

最後になりますが、使用した現像液の処理方法は、各自治体に確認し(可燃ごみ,水道に希釈して排水等)適切に処理をしてください。

間違えても庭や河川に捨てることのないようにしてください。自家現像を行う一人ひとりの心がけによって、これからもフィルム写真を撮っていくことができるようになります。

 

フィルムカメラユーザーの皆さんの助けになれば幸いです。

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