簡単にかつ専門店に劣らないクオリティで出来るカラーネガフィルム自家現像

こんにちは!前のめり(@maenomelife)です!

現像のための用具の準備は下記記事をご確認ください。

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こちらの記事では、実際にラボでも使用されている薬液を多く用いて自家現像を行う方法を紹介します。

ですので、色の出方等の現像結果は実際にラボや専門店での現像に非常に近く仕上げることも可能です。

 

しかも、ここで紹介する現像液を揃えるとそのままリバーサルフィルム現像に使用することが出来るので、同時にネガとポジを現像できたりと自家現像の幅が広がります。

 

Contents

必要な薬液

○現像液

・オリエンタルカラーBAN-1R

・オリエンタルカラーCNL-N1R

オリエンタルカラーは実際にラボで使用されている業務用の薬液です。

BAN-1Rの方がコストパフォーマンスが高いのでお勧めです。

CNL-N1Rを利用される方は各液量を測定し使用量を計算するか、最初に全量(5L)作成の後に、使用時に希釈してください。

 

○漂白液

・オリエンタルカラーBAN-2R

このうち2L分あれば十分なのですが、最小ロットは8Lです。

定期的にリフレッシュするか、知り合いの方と共同購入すると無駄がないかもしれません。(私は余っています・・)

 

○定着液

・イルフォード ラピッドフィクサー

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イルフォード

・スーパーフジフィックス

上記のどちらかを選択してください。

厳密にはイルフォードは非硬膜、フジフィックスは硬膜定着液で非硬膜のほうが望ましいですが、フジフィックスがモノクロやリバーサルにも使用できるので私も使用しています。

 

○その他薬剤

・クエン酸

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停止液用

 

・ドライウェル(任意)

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・ブロムカリ

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漂白液再生用

※使用方法はリバーサル現像で書いています。

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現像工程

1.現像液、漂白液、定着液を作る。

①現像液

1.ある程度(300ml程度)の38℃程度の水に、BAN-1Rのa液:16ml,b液4ml,c液5mlを溶解。

2.加水し、500mlに。

3.加温して38℃に

 

現像液は規定濃度に溶解した原液での使用がベストですが、現像液は一度使用すると疲労・劣化する為に短時間で大量に処理する業務用でないとコスパが悪くなってしまいます。

500mlあたりの原液の価格は200円程ですが、4倍程度まで希釈しても問題無く、そうすれば1回に1本しか現像しなくても50円、4本現像すれば10円程度にまで現像液コストを下げることができます。

 

また、カラーリバーサルで使用する場合には水酸化ナトリウムを用いてPHを上げていますが、これは本来現像液原液はアルカリですが希釈水でPHが下がった分を補うものですので、リバーサル現像後にカラーネガで用いても問題ありません、(むしろ望ましい)

また、スターターについても本来は添加する方が望ましいのですが、簡素化するために省略しています。

 

②漂白液

BAN-2Rを原液で使用します。

液温度は24-40℃であればかまいません。

 

③定着液

初回のみ、フジフィックス1:水2で混ぜ合わせ原液を作成します。

2回目以降は、そのまま再利用します。(液量が減った場合にはフジフィックス原液を補充する)

こちらも24-40℃で用います。

 

2.事前に準備しておいたリールを巻いたタンクに現像液を入れてプレ水洗。

その日に複数のフィルムを現像する場合、現像液の疲労を防ぐためにプレ水洗をすることを推奨します。

水(できれば38℃)をタンクに入れ、軽く撹拌し排出。

オレンジ色の液が出てきます。(画像はリバーサルなので青い)

 

3.現像液を注入し撹拌する。

時間はタンク注入から排出までの時間で、速やかに行います。

撹拌は適当に多めにくるくると回しておきましょう。

現像液を原液(本来のC-41現像)であれば3分15秒ですが、4倍希釈では4分10秒程度が良いと思います。

 

4.停止・水洗

停止液を注入、軽く撹拌します。

現像液を中和し停止液を排出後、軽く水洗します。(停止液を持ち越して次の液を劣化させない為)

 

5.漂白液を注入し、撹拌する。

漂白はやりすぎはありませんが標準時間は6分30秒です。(5分程度でも問題はなし)

時間経過後、排出(次回再利用)します。

 

6.水洗する

漂白液を定着液に持ち越さないよう、よく行ってください。(できれば2分以上)

 

7.定着液を注入し、撹拌する。

これもも特にやりすぎにはなりません。標準時間は6分30秒ですが、5分程度でOKです。

 

8.水洗し、必要に応じてドライウェルに30秒以上浸ける。

 

9.乾燥

 

現像液の再利用について

作成した現像液は1回で4本程度にしたほうが良いと思います。(10本は現像可能と思いますが、疲労のため現像時間を伸ばす必要があります)

現像液は都度捨てましょう。停止液もカビるので都度クエン酸を溶かして作ってください。

再利用できるものは、漂白液と定着液です。

 

ラボ薬品を用いることでクオリティの高い自家現像ができる

今回はラボ用の薬品を用いつつあまり画質に影響を与えない範囲で簡素化をする手順を考えてみました。

厳密には、現像液を水で希釈するとPHが下がり出る色が若干変わるので、気になる方は原液のまま使用するというやり方もありだと思います。(私が比べた限りでは、希釈しても十分良好なネガが得られる)

さらに言えば、自家現像では毎回フレッシュな現像液を用いることができますが、ラボでは業務的利便性を求めるために継ぎ足しで薬液を使用する方式となっていることから自家現像の方がより良い現像結果を得るのに有利と見ることもできます。

 

別記事で紹介している、Kodakエクタカラー用現像・漂白定着液を使用した方法は2液性のため非常に簡便である一方、やはりカラーペーパー用であること、そしてランニングコストは漂白液と定着液を使い回せるこちらの方法には到底敵いません。

また、リバーサルフィルム現像も、僅かな費用をかけるだけでチャレンジすることができますので、様々なフィルムを自家現像したい場合にはこちらの方法が最適だと思います。

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